ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ひゃくはち』

2008-07-17 22:50:13 | 新作映画
----この『ひゃくはち』って
数字の108のこと?
「そうだよ。
ほら、除夜の鐘の音が108で、
それって煩悩の数というじゃない。
ところがもうひとつ、
これもよく知られたことだけど、
硬式野球のボールの縫い目の数が108あるんだ」

----ふうん。ということは、
これは野球のお話ニャんだね?
「そのとおり。
それも甲子園出場常連の高校が舞台」

----ということは熱血もの?
「もちろんそういうシーンもないではないけど、
彼ら高校球児がタバコ吸ったり、
ビール飲んだり、
はたまた合コンに行ったりするシーンもある」

----でも、そんなことしている人は
きっとレギュラーになれないよね?
「なかなかいいところ突いてくるね。
この映画は20人のベンチ入りすれすれのところにいる
ふたりの男の子にスポットを当てているんだ。
彼らは三塁手の雅人(斎藤嘉樹)と一塁手ノブ(中村蒼)。
やっと19番と20番の背番号をもらった二人は大の親友。
ところが、超強力な新入生が入部。
彼が一塁手だったことから
ノブは三塁へのコンバートを決意。
果たしてふたりの運命は…?
と、こういう内容だね。
補欠にスポットを当てたのも新鮮ならば、
その彼らの設定を親友にしてポジションを競わせるという
この脚本の妙がまたいい」

----えっ?でも原作があるんでしょ?
「うん。ただ最初は1000ページ以上もあったらしい。
それを原作者の早見和真は500ページの小説にして本として出版、
そしてそれとは別に監督の森義隆は映画用に脚本化したらしいよ。
この映画は、その意外性のあるストーリー、
そして個人のキャラクターを生かしたキャスティングのオモシロさが
一番の見どころだろうね。
さきほどあげた主人公以外にも監督の竹内力が
こういう人っているよなっていう感じの監督を
地のままとも思える熱演。
彼に『野風僧』を熱唱させるというところも憎い。
その補佐、コーチに桐谷健太。
またこの一年、さまざまな映画で活躍の高良健吾、
そして北条隆博がレギュラー選手役。
これが普通なら主人公ふたりと対立しそうなはずだけど、
彼らと一緒に合コンにも出かけ、嫌みさがまったくないんだ。
あと、新米記者役として市川由衣。
彼女はグッとオトナになったって感じ。
いままで観た彼女の出演作の中ではこれが一番という気がするな」

----けっこう気に入ってるみたいだニャ。
「うん。この映画、とにかく爽やかだしね。
それでいて、泣かせのシーン、
笑わせるシーンのメリハリが利いている。
映画としての見せ方も巧いと思うよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「爽やかなのが一番ニャ」いいねぇ

※発想がいい度

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