ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ダークナイト』

2008-07-05 17:50:27 | 新作映画
(原題:The Dark Knight)


----これって『バットマン ビギンズ』の続編と考えていいの?
「うん。いいと思うよ。
バットマンことブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)は、
レイチェル(マギー・ギレンホール)と一緒になるためにも
早くこの“闇の守護者”役を降りたがっている。
そしてそのことがこの映画の一つのキーワードとなっていくんだ」

----えっ、バットマンって
あんなにカッコいいのに…。
「そう簡単にはいかないところが
この映画の持つ複雑さ。
バットマンがやっていることはいわば自警主義。
法に則ったものではない。
そこに、ゴッサムシティの犯罪を一掃しようとする“正義の味方”、
地方検事のハービー・デント(アーロン・エッカート)が現れる。
しかも、レイチェルは次第に彼に惹かれていくんだから、
ブルースとしてはあせりまくりだ。
そんなところに究極の悪ジョーカー(ヒース・レジャー)が出現。
殺人予告、爆破予告で市民を震え上がらせる彼は、
バットマンがその正体を露にするまで
それは続けると脅すんだ。
そうなると、自分の身がかわいい市民たちは
バットマンを目の敵にせざるを得ない。
ブルース・ウェインは、
このジョーカーの精神を分析し、その正体に迫ろうとするが、
ジョーカーはただ、悪を行なうことが楽しいだけ。
彼にとってはすべてがゲーム感覚なんだ」

----うわあっ、いかにも現代的だね。
「そうなんだ。
観ていてこんなに辛いヒーローものは初めて。
これに比べると『スパイダーマン』の悩みさえ
あまりにも個人的でかわいく見えてくる。
ここに描かれているのは、
人々が真実を知ることよりも幻想を満たすこの時代、
正義を信じる心を彼らから失わせまいとするバットマンは、
どう自らの身を処すべきかという
ヒーロー・ムービーの根源にも関わる問題」

---ニャるほど。
だから“ダークナイト”闇の騎士ってわけか?
あれれ、今日は亡くなったヒース・レジャーの話が中心かと思ってたけど?
「もちろん彼の演技は鬼気迫るものがあったよ。
そのメイクにしても、
ティム・バトン版のジャック・ニコルソンに比べて、
見ているだけで痛々しいしね。
あの異様なメイクは、
ヒースが顔を引き上げたり目を細めたりして
顔をしわくちゃにした上に
白く塗ってできあがったものらしい」

---スケールも大きいと聞いたけど?
「なにせ今回は、
バットマンが史上初めてゴッサムシティを離れ、
香港にまで行っちゃうからね。
ビルから飛び降りての空中アクションはもちろんのこと、
バットポッドが出てきたり
18輪トレーラーが垂直になって転倒したり、
ビルが爆破で全て崩壊したりと、
スペクタクル性もかなりのもの」

----そういえばトゥー・フェイスまで出てくるんだって?
「あっ、そのことはあまり知らない方がいいだろうな。
それよりも個人的には
前作では控えめだったゴードン警部補。
そう、ゲイリー・オールドマンの活躍が嬉しかったね。
それとキリアン・マーフィーの
カメオ出演かな。
もちろんスケアクロウとしてね」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「パワフルな映画みたいだニャあ」おっ、これは

※けっこう辛い話だ度

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画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。