ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!』

2007-04-19 12:24:50 | 新作映画
----『コナン』と並ぶ東宝のゴールデンウイーク・アニメだね。
毎回、評判がいいけど今回はどうだった?
監督は『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ!踊れアミーゴ』に続いて
ムトウユージが出かけているんだよね?
「そう。前作は途中、本格ホラーになっていたけど、
今回はいわばSF。
さらにはミュージカルシーンも加わる。
しかも劇場版ではこれが初めてかな、
シロが主人公になるんだ」

----へぇ~っ。いいな。
どういうお話ニャの?
「ケツだけ星人が放った一発の不発弾が地球に落下。
なんとその爆弾が
一家で沖縄旅行を楽しんでいるシロのお尻にくっついてしまう。
この爆弾が地球を丸ごと吹き飛ばす破壊力を持った爆弾であり、
シロから取り外すことができないことを知った
宇宙監視センター、通称UNTI(ウンツィ)はウンツィは
地球の安全のためシロごと宇宙へ飛ばし爆破しようとする。
そこに美人テロ集団『ひなげし歌劇団』が加わり、
激しい争奪戦を繰り広げる------。
ざっと、こういうお話だ」

----うわあっ。大変だ。
でも、みさえもひろしも
シロを守ろうとするんでしょ?
「いや、それが最初はウンツィに協力しようとする。
それに対してただひとり立ち向かうのが、しんちゃん。
シロをつれたしんちゃんが一緒に逃げ周ったあげく
夜の河原で疲れて寝てしまう。
そこでシロの頭の中にしんちゃんとの回想が浮かぶ。
ここはこの映画のハイライトかも。
名作『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』を思い出したね」

----でも、そのままで終わるわけニャいよね?
「そういうこと。
しんちゃんシリーズのテーマの一つは<家族>。
どんなときにも家族を守るため
力を合わせなくては野原一家とは言えない。
シロを救うべく打ち上げ寸前のロケットに向かう野原一家。
この描写も『オトナ帝国の逆襲』を彷彿させる」

----でも『オトナ帝国の逆襲』の監督は原恵一だよね。
確か「大人も子供も笑って泣ける映画」を標榜してなかった?
「うん。彼はこのシリーズにある伝説を作ったし、
その流れは今もなお続いていると言うことかも。
たとえばウンツィ長官の声を吹き替えている京本政樹。
彼の代表作『必殺仕事人』シリーズの
組紐屋の竜をギャグに取り入れたりしているけど、
それって今の子供たちに分かるわけないよね。
だって『必殺仕事人』なんて
彼らがまだこの世に影も形もない頃のドラマ(笑)」

----そりゃそうだ(笑)。
ぼくにも分からないかも……。
そう言えば毎回、名セリフが出てくるけど、
今回はどうだった?
「ウンツィ長官は、すべて予定どおりに行なうことがいいと思っている。
そんな彼に対して『予定どおりには行かないから人生はオモシロいんだ』と、
これは父ちゃん、野原ひろし。
よく考えると、この映画、
全人類を救うと言う理由であれど
身内の一匹の犬の犠牲も許さないと言う内容。
普通はクエスチョンが付くところだけど、
野原一家はそれよりも身近な家族の方を大切にする。
全体よりも個を尊ぶこの考え方は、
『お国のためなら~』という
最近の社会風潮に真っ向から対峙する。
アニメの形を取った上、
なおかつ犬と言うことでボカしてはあるけど、
これはなかなか骨があると思うな」

----やはり「命は一つ。人生は一回」だもんね。

    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「えいもフォーン助けるかニャあ」悲しい

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