ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『300 <スリーハンドレッド>』

2007-04-15 16:07:33 | 新作映画
(原題:300)

----『300』ってなにが300ニャの?
「うん。これはね。
侵略を目論むペルシャ帝国軍100万に対して
王レオニダス(ジェラルド・バトラー)のもとに集まったスパルタの屈強な男たちが
壮絶なバトルを挑んだと言う
ヘロドトスの『歴史』にも記されている
テルモビュライの戦いを描いたもの。
そのときの男たちの数がわずか300人。
まあ、こういうわけだね」

----へぇ~っ。
なぜそんなに少ないの?
「開戦するには神々の許しを得なくてはならない。
ところが欲と妄執にとらわれた司祭たちは、
託宣者(オラクル)のお告げであるとして、
スパルタ軍の出兵を禁じたんだね。
そこで王は、彼らは王の親衛隊であって兵隊ではないと言う形で、
300人の精鋭をつれて海岸線の狭い山道であるテルモビュライに
兵を進めたと言うわけだ」

----ふうん。
でもこれって『シン・シティ』
フランク・ミラーのグラフィック・ノベルが
もとになっていると聞いたけど?
「そうだね。
画像の黒い部分を弱め、
彩度を高めて色のコントラスト比を変えた
斬新な映像が話題になっている。
観た感じは『ウルトラヴァイオレット』が近いかな。
ただ、スケールは圧倒的にこちらが上。
それと画のタッチは違うけど、
『ロード・オブ・ザ・リング』を
思い出す人も多いんじゃないかな。
ペルシア兵によるモブシーンは言うまでもなく、
スパルタを裏切るエフィアルテスの容貌はゴラムを思わせるし、
オリファント並みの巨大象も出てくる。
あっ、不死軍団なんてのもいたな。
それと空一面を真っ暗にしてしまう
投擲された矢の写し方は
ジョン・ウーの『HERO』だね」

----じゃあ、なかなかよかったってわけだ?
「う~ん。ただね。
この選民思想がどうかな?
子供の頃スパルタの話を読み聞きして、
震え上がったことがある。
たとえば体が五体満足でない者はすぐに殺され、
生きることを許された子供たちは7歳で母親と決別し、
教練所で集団生活。
殴られ、打たれて一人前の戦士として育てられる」

----ニャんでそんなことを?
「つまり男は戦士として
国を守ってこそ意味があるというわけだね。
この映画でも僧侶たちは病で顔がただれ、
先ほどの裏切り者は体まで常態ではない。
不憫に持った親が殺すのが忍びなく
こっそり育てたと言う設定。
映画史上、最大ではないかと思われる
切り落とされる首の多さ----。
その残酷な血なまぐささもさることながら
このあたりが最後まで引っかかってしまったね。
もっとも最後まで目をスクリーンに引きつけるだけの力はあったけど…」


    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「血は見たくニャいニャあ」もう寝る


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