ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『プレステージ』

2007-04-10 23:12:30 | 新作映画
(原題:THE PRESTIGE)

----あれっ?この映画って
『イリュージョンVS』(イリュージョン・ヴァーサス)とかいう
タイトルになったんじゃなかった?
「うん。そのタイトル決定の案内をもらったときに
頭の中に“?”が飛び交ったんだけど、
みんなもやはりそう思ったってことかな。
結局、原題どおりになっちゃったね」

----でも、内容は分かりやすかったよね。
この“VS”に、主人公2人の絵柄だと、
対決モノであることは間違いないものね。
「うん。舞台は19世紀のロンドン。
アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)は
共に奇術師ミルトンのところでしのぎを削りあって修業をしていた。
ところがアンジャーの愛妻であり助手のジュリア(パイパー・ペラーポ)が
水中脱出に失敗して溺死してしまう。
彼女の両手を縛ったのはボーデン。
この悲劇はアンジャーを復讐鬼に変え、
以後、ふたりはいがみ合い血なまぐさい争いを繰り返すことになる」

----ほほう。これはオモシロそうだニャ。
ところでスカーレット・ヨハンソンの役は?
「彼女はアンジャーの元にやってきた助手志願の娘オリヴィア。
折しもボーデンは新しいマジック《瞬間移動》に成功。
そのトリックを見破れなくて焦るアンジャーは
オリヴィアにボーデンの助手として中に入り込み、
そのトリックを盗むように命じるわけだ。
しかしオリヴィアも奇術師の端くれ。
アンジャーとボーデン、
彼女がどちらに付いているのか?
彼らふたりはおろか観客にも分からない。
このことも映画のオモシロさを増幅させていたね」

----ニャルほど。マイケル・ケインは?
「アンジャーの協力者で
マジックの考案者カッター。
でも、今回はもっと驚くべきキャスティングがあったね」

----えっ?誰?
「デヴィッド・ボウイ。
彼はエジソンとの確執でも知られる
実在の発明家ニコラ・テスラを演じている。
そしてその部下のアレーにアンディ・サーキス」

----あっ、ゴラムをやったあの人……。
それはまた豪華なキャスティングだ。
監督は誰だっけ?
『バットマン ビギンズ』でもクリスチャン・ベールや
マイケル・ケインと組んでいるクリストファー・ノーラン。
ここでは『メメント』とまではいかないにしても
エンタメの枠組みの中で
ほどよく観る者を翻弄してくれる」

----どういうこと?
「映画のテーマとなっているトリックが
映画そのものにも使われているわけ。
つまり、観客もある大きな《罠》にかけられ、
ラストでは、そのどんでん返しに
だれもが呆然となってしまう。
まあ、これはよくある手ではあるけどもね」

----そんな大きなこと言っていいの?
ぼくはビックリしないかもよ。
第一、どんでん返しなんて言葉を聞いたら、
それだけで身構えてしまうから
「安易に使うのは反対!」------と
常々言っていたのは、えい自身じゃない?
「いやあ。この映画に限ってはいいんじゃないかな。
というのが、このどんでん返しというのが
一つや二つどころじゃない。
なかなか真のラストにはたどりつかないんだ。
正直言うと、その結末はないんじゃないのと言いたくなるけど、
まあ、そこは原作ものだからね。
130分、グッと引きつけられ、
最後まで息を飲んだと言う意味でも
久しぶりに見応えたっぷりの作品だったよ」

----ところでタイトルの意味は?
「一流のマジックは、
3つのパートからなる。
1.プレッジ=タネも仕掛けもないことの観客への確認。
2.ターン=その仕掛けのない道具で、期待に背かないパフォーマンスを見せる。
3.しかし、それだけでは観客は満足しない。
最後にもう一段、予想を超えた驚きを提供。
これを『プレステージ=偉業』と言うんだって」

----よく分からないニャあ。
「たとえば、よくある<人が消える>マジック。
でも消えただけだと、観客はざわざわ。
でも、そこに<帰還>があると拍手喝采」

----ニャるほど。
と言うことは、この映画ももしかしたら……。

    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「えっ、黒猫さんが実験台!?身震いするニャあ」もう寝る


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