裏を隠したりする囲いは
実はもう一つの要素があります
それは「奥行き」をみせること
その先に何かありそうだ・・・と見せること
本当はぼろ隠しなのですが・・
「多分この先はこうなっているのだろう・・・」と
思わせるための垣根や囲いですね
舞台の脇の幕と同じで
アレがあるだけで
舞台裏が見えないことと
見ている人の想像力を増す働きです
葬儀の祭壇も然りですね
斎場の祭壇の後ろには
ビロードっぽい暗幕が張ってあるのは
舞台と同じで
光が反射しないから
「奥行き」がでるのです
奥行きが出るということは
祭壇が浮き出るような感じに見えるのであります
祭壇と後ろの壁の間にわざわざ幕を張るのは
意味があるのです
しかも幕は襞を作ってはりますから
奥行き感は増していきます
ここは道順庵ですから
祭壇をよく見せる工夫はありませんが
風情や佇まいの「奥ゆかしさ」は
出せればいいなと考えております
見えない奥ゆかしさは
たとえ見えても
違和感の無い掃除くらいは
しておいて(笑)・・・