近頃の毎日の欠かせない日課は、
病院に入院している親父の付添い。
付き添いとはいっても、
着替えの交換や持ってきてほしいものを届けに行く、
病状を確認する、リハビリの大切さを説く、
そんな程度の見舞いに毛が生えたような訪問だ。
食事も自分でできるし、ヒゲだって剃れる。
しかし、点滴等でベッドで横になっていることが多いので、
近ごろ薬が飲みにくいというから、
水にとろみをつけてあげている。
なにせ1日に飲む薬の量は
20錠を軽く超えるからね。
しかし、とろみのついた水でも
むせたりすることが多いので、
いろいろ考えて、
今流行の「服薬ゼリー」を持っていってやったら、
これが大正解。
むせることなく、ゴクリと飲み込んでくれる。
少し値は張るけれど、
背に腹は代えられない。
子ども用にもいろんなゼリーの商品が出ており、
「イチゴ味」なんてのもあるので、
飲み比べてもらうことにしてみようと思っている。
そのゼリーの安い店を探そうと
いろんな店に行ってみた。
この前、売り場がわからなくて店の人に、
「服薬ゼリーはどこですか?」
と聞くところを間違えて
「毒薬ゼリーはどこですか?」
と聞いてしまった。
店員は「は?」と怪訝そうな顔をしたあと、
「ああ、服薬ゼリーですね。こちらです。」
と案内してくれたが、
後姿の肩が笑いをこらえて震えていたのを
doironは見逃していない。
それを見て自分もおかしくておかしくて。
店を出るまで必死で笑いをこらえていたほどだ。
明日親父に、
「ハイ。毒薬ゼリー」
と言って渡したらどんな顔をするだろう。