雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

たまゆらに

2014-04-20 21:00:00 | 

山本一力著"たまゆらに"を読みました。
江戸時代の話です。
1日の出来事を書いたものです。
お金の入った財布を拾うということがこんな大事に
なるということあるんでしょうか?
朋乃は野菜を天秤棒で担いで家々をまわっています。
橋の上で五十両の大金の入った財布を拾いました。
自身番に持って行くのが決まりですが時間を取られる
のを嫌って見てみぬ振りをする人が多いです。
朋乃は自身番に持っていきました。
案の定目明しの五作に問い詰められます。

財布は入っていた書付から鼈甲問屋堀塚屋のものだと
わかります。
朋乃と縁がある家のものだとわかります。
朋乃は堀塚屋の娘です。
母は夫や姑につらくあたられ妾に男の子が生まれたことで
離縁され渡されたお金も途中で強盗に襲われた風を装って
少しだけ残されて追い出されました。
母は縫い物をし、娘は野菜の棒手振りをして暮らしています。

このお金は朋乃の異母弟にあたる若旦那が店の品物を
ごまかして手にしたものです。
店に目明し二人と朋乃は行くことになります。
番頭はこのお金がどういうものか知りません。
店でのやり取りがこの本の大半になります。
店の体面を重んじて表ざたにしたくない人々や、不正を
行っていてそれを認めたくない人などの駆け引きと
なります。

店を追い出されながらもせいいっぱいに生きている
朋乃が清々しいです。

ホリス・ウッズの絵

2014-04-20 21:00:00 | 
パトリシア・ライリー・ギフ著"ホリス・ウッズの絵"を
読みました。
児童書に当たると思います。
十一歳になるホリス・ウッズという捨てられていた女の
子の話です。
里親から里親へと移り住んでいます。
手に負えない子というレッテルが貼られています。

リーガン家の夏の家にいくことになりました。
1歳年上のスティーブンやその両親と過ごします。
スティーブンと楽しく過ごし両親ともうまくいっています。
彼らは彼女を家族として迎えたいと望みます。
彼女もそのことを喜んで待っています。
ある事件が起きてホリスはリーガン家の一員になることは
出来ないと決めます。

ホリスは老いた彫刻家の女性のジョージーの家に行きます。
二人はうまくいっています。
ホリスには絵の才能があります。
しだいにジョージーには認知症の症状が現れてきます。
ホリスはジョージーを一人にしておけなくてジョージーを
連れてリーガン家と夏に過ごした家に逃げます。

家族がない子供はきびしい人生になることが多いですね。
施設でまとまって暮らすのでなく里親に託されるようです。
短期間に次々に里親が変わるというのは思っただけで
つらそう。
福祉事務所はただ託すだけでなく、学校に行ってるか
行ってないか見ていてフォローもしっかりやっている
ようです。

ホリスはリーガン家やジョージーのように分かり合える
人達に出合っています。