雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

探偵★日暮旅人の壊れ物

2014-04-08 21:00:00 | 

山口幸三郎著"探偵★日暮旅人の壊れ物"を読みました。
五感のうち目以外の感覚がなく他の感覚を目で補って
いる旅人が主人公です。
両親を殺され自身も拷問され辛い過去を持っています。
シリーズの前作までは時間が順番に過去から現在に
流れていましたがこの作は中学校時代の話が出てきたりと
過去のことに戻ったりします。

"箱の中"
旅人は両親が亡くなってから親戚の間をたらい回しに
されました。
彼の他人を寄せ付けない状態に恐れをなしてしまいます。
中学時代から10年経って旅人の探し物探偵事務所に
中学時代の先輩の見生美月が尋ねてきます。
持ってきた箱の中にある物を当てるように言います。

"傷の奮え"
安藤朋美はカリスマ作家の鶴岡大成のアトリエに
子供のころから行っていました。
大成は事故死しました。
遺作があるはずですが見つかっていません。
朋美は大成の弟子とされアーティストとしてもてはや
されることになりました。
朋美は交通事故で右手の神経が切れました。
旅人は大成の遺作を探すよう依頼され朋美と会うように
なりました。
朋美は旅人を恋するようになりました。
両親は朋美によってお金を得ることしか考えていません。

"憧憬の館"
羽能章仁の父聡仁は財界に名をとどろかす資産家です。
妻子を持ちましたがないがしろにしました。
大きな家の中で母は苦しんでいました。
そして自殺をしてしまいます。
章仁は才能もなく父に見向きもされません。
しかし自由にさせてもらえなく会社に名目だけの社員と
して押し込められました。
章仁が失踪しました。
旅人は章仁の行方を捜すよう依頼を受けます。

"竹馬の友"
志の、あやめ、縁は子供のころからの仲の良い友達でした。
その絆な家族よりも強いと思っていました。
志のは年老いました。
あやめと縁を探して欲しいと旅人に依頼しました。
彼女は強い絆を持っていた友人のもとをだまって
去りました。

"昔日の嘘"
最初の話の見月に美術部の顧問であり旅人の従兄弟で
もあった甲斐義秀、あだ名がカイセンが命が危ない
状態になっていることを知らされます。
このとき旅人はカイセンに引き取られていっしょに
暮らしています。
カイセンは旅人のことを心から心配しています。
旅人はまわりとなじもうとはしません。
見月だけが旅人に興味を持ち関わりを持とうとします。
旅人は学校の問題児たちとトラブルを起こします。
いっしょに暮らしているカイセンの母が旅人がいることの
ストレスから体を壊したことで短い同居生活は終わりを
告げました。

旅人の中学生時代がわかります。
人を近づかせずぴりぴりした時を過ごしています。