7月21日は世間の方は参議院選挙の投票日でしたが、競馬界では函館競馬場で「函館2歳ステークス」、中京競馬場ではマイル重賞「中京記念」が行われました。2歳世代最初の重賞ウィナー、サマーマイルシリーズ開幕戦を制したのはどの馬だったのでしょうか?
函館メイン・第45回函館2歳ステークス(GⅢ・芝1200m)は、2歳馬16頭が集結。新馬戦で7馬身差の圧勝を飾った⑮クリスマス、ダイワメジャー産駒⑥オールパーパス、サクラバクシンオー産駒⑦ビービーブレイン、⑨ファイトバック、④ファソンの他にも、ホッカイドウ競馬から⑪ハッピースプリントと⑭ニシケンムートの2頭が参戦しました。
スタートは16頭ほぼ揃った感じで飛び出し、先行争いでクリスマスが早くも先手を奪うが、⑫テルミドールが並びかける。3番手グループにはファソン、オールパーパス、①プラチナティアラの3頭。中団グループにはビービーブレイン、⑤ウインイルソーレ、②マイネルディアベル、③トーセンシルエット、⑬キタサンラブコールの5頭が固まり、その後ろの11番手に⑧ドラゴンスズラン、ファイトバック12番手で追走。後方集団はハッピースプリント、⑭ニシケンムート、⑩マイネルフォルス、⑯ヴァイサーリッターの4頭横一線。
3コーナーを回り、テルミドールが先頭に立ち、クリスマス2番手につける。ビービーブレインが3番手まで上がり、ラブコールも大外から上がってきた。4コーナーから最後の直線に入ったところで、クリスマスが先頭で抜け出した。後方ではプラチナティアラ、オールパーパス、トーセンシルエットが2番手争いを繰り広げている。先頭のクリスマスは完全に独走となり1着でゴールイン。そして2着にプラチナティアラ、3着争いはシルエットとパーパスが並んでゴールしたが、トーセンシルエットがわずかに制しました。
2歳最初の重賞競走・函館2歳ステークスは、クリスマスが2着に2馬身差をつけて快勝。単勝1番人気の人気にしっかりと応え、新馬戦に続いての連勝で重賞一番乗りを果たしました。2着にはプラチナティアラ、トーセンシルエットが3着に入り、牝馬3頭が上位を独占しました。2番人気だったオールパーパスは4着、3番人気・ビービーブレインは最下位の16着に終わっています。
勝ったクリスマスは、父はバゴ、母はアラマサスナイパー、母の父はステイゴールドという血統。ステイゴールドもおじいちゃんになられましたか。鞍上の丸山元気騎手は、2011年の新潟大賞典以来約3年ぶりの重賞勝ちで通算2勝目となります。新馬戦で7馬身、函館2歳Sで2馬身差の完勝、1200mでの圧倒的な勝ちっぷりを見ると、1400~1600mもこなせるんじゃないかと思います。今後も順調に勝ち続ければ、阪神ジュベナイルフィリーズの有力馬になっていきそうです。
中京のメイン競走・第61回トヨタ賞中京記念(GⅢ・芝1600m)は16頭立てで行われました。夏の中京のフィナーレを飾るこのレース、昨年の勝ち馬・⑯フラガラッハ、マイル戦4勝の⑥ドナウブルー、④ランリュウオー、①ワイズリー、③フレールジャック、⑤リルダヴァル、3歳馬⑬ザラストロが参戦しました。
16頭きれいに揃ったスタートで始まり、先行争いでワイズリー、フレールジャック、ドナウブルーの3頭の競り合いから、向正面でフレールが前に出る。ドナウが2番手につけ、シャイニーホークが3番手に上がり、4,5番手にワイズリーと⑫ミッキードリームが並ぶ。中団の6番手集団には、②オセアニアボス、リルダヴァル、⑩セイクリッドセブン、⑪サトノパンサーの4頭が横並び。その後ろの方では、ランリョウオー、⑨ムクドク、⑦アカンサス、フラガラッハ、⑭ファリダットと続き、馬群から離れた後方は、15番手ザラストロ、最後方⑧ウインドジャズが追走する。
14頭がひと固まりの状態で3コーナーに差し掛かり、フレールジャック、リルダヴァル、シャイニー、ミッキーの4頭が先頭集団を形成、最内からオセアニアが上がっている。しかし3,4コーナー中間点でフレールが故障発生してずるずると後退。最後の直線~残り400mを切って15頭が横に拡がり、最内を走るオセアニアボスがわずかに先頭、ワイズリー、ドナウ、リルダヴァル、ランリョウオー、真ん中からミッキードリーム、外からフラガラッハが追い込んで来る。残り200mでリルダヴァルが前に出るが、大外からミッキーとフラガラッハが伸びてきて、ゴール前でフラガラッハが抜け出してゴールイン!
最後の直線で15頭が横に大きく拡がり、ハンデ戦に相応しい大激戦となった中京記念は、単勝5番人気のフラガラッハが、ゴール前で差し切って優勝。中京記念史上初の2連覇を達成しました。1年前にこのレースを勝った後、6戦して2ケタ順位が5回と苦しんでいましたが、中京マイルで見事に復活。道中は後方の位置に控え、直線では外から末脚を炸裂させ、ミッキードリームとの叩き合いを制しました。昨年は2連勝で重賞初制覇、今年は亡き父・デュランダルに捧げる勝利です。天国のお父さん、息子がやりましたよ。
2着に13番人気のミッキードリーム、3着に3番人気・リルダヴァルが入り、3蓮単「⑯-⑫-⑤」の組み合わせで366,580円の高配当決着。2番人気のドナウブルーは4着、1番人気ランリョウオーは10着。なお、3,4コーナーで故障を発生して競走中止したフレールジャックは、左第1指関節脱臼で予後不良、安楽死処分となってしまいました。2011年のラジオNIKKEI賞ではデビュー3連勝で重賞初制覇を果たし、今年に入ってからは3戦続けて掲示板圏内に載せていましたが、真夏の中京で悲しい最期を迎えました。
来週からは新潟の夏開催が始まり、28日は新潟名物の直線1000m重賞・アイビスサマーが開催されます。函館スプリントステークスを制したパドトロワ、スギノエンデバー、ハクサンムーン、アウトクラトール、インプレスウィナーなどが登録。函館では牝馬の重賞「クイーンステークス」があり、マーメイドステークスで復活Vを挙げたマルセリーナ、3歳馬セレブリティモデル、アイムユアーズ、キャトルフィーユ、オールザットジャズが出走予定です。