今月14日に福岡国際センターで始まった大相撲九州場所は、秋場所終了時点まで62連勝中で、今場所で5連続優勝を狙う横綱・白鵬関が、双葉山関の69連勝の大記録を破るかに注目が集まっておりました。初日は栃ノ心を上手投げで破って順調なスタートを切り、自らの連勝記録を63に伸ばしました。64連勝をかけた2日目は前頭筆頭・稀勢の里と対戦、双葉山の大記録にまた一歩近づくかに思えましたが…。
立ち合いで白鵬が右手で張った直後に差しに行こうとするが、稀勢の里まわしを取らせない。白鵬が一気に寄るも稀勢が残ると、白鵬を土俵際まで押し返して右上手を取る。追い込まれた白鵬は、稀勢のまわしを取って体を入れ替えたが、稀勢の里がその後も攻め続け、白鵬を一気に寄って勝負あり!土俵を割った白鵬は勢い余って観客席まで転がり落ちてしまった。決まり手は寄り切りで稀勢の里の勝ち。白鵬が2日目に土が付き、連勝が63でストップしました!
今年1月の初場所14日目の琴欧洲戦から始まった横綱・白鵬関の連勝記録が、とうとう途切れてしまい、双葉山の69連勝は届きませんでした。白鵬の全勝優勝が続いていることから、70連勝いや80連勝も夢ではないかと思われましたが、九州場所2日目に稀勢の里の前に終始攻められ続けて敗れました。連勝が続いて70連勝達成のシーンをテレビで見たかったので正直残念としかいえません。
取組後の談話で、長い沈黙の後「これが負けか…」と久々の敗戦を実感しておりました。本人もショックだったに違いない。4場所連続全勝V、63連勝といった白鵬の持つ記録は、今後の相撲界では簡単に破られそうにないでしょう。連勝記録は途切れましたが、気持ちを入れ替えて残り13日間勝ち続け、5場所連続優勝で横綱としての責任を全うしてほしい。
一方、「歴史的大金星」を挙げた稀勢の里は、福岡の地で一躍ヒーローとなりました。インタビューでは「勝てるとは思わなかった。勝ち名乗りを受けてやっと勝ったという感じ」と振り返っていました。稀勢の里は通算3度目の金星奪取、うち2回は白鵬から挙げました。この場所を勝ち越せば殊勲賞獲得は決定的かも。今後も勝ち星を積み重ね、来年の初場所で三役に返り咲き、更には大関まで昇進できるでしょうか?
2日目のその他の取組では、福岡出身の大関・魁皇は、琴奨菊を突き落としで破って今場所初白星。把瑠都は大関陣唯一の2連勝を挙げましたが、琴欧洲は安美錦に、日馬富士は栃ノ心に敗れました。日馬富士は2連敗と苦しいスタート。右肩の痛みが残っているようです。
15日・3日目の取組では、横綱・白鵬の相手は西前頭筆頭の琴奨菊、稀勢の里は2連敗中の日馬富士と対戦します。序盤から波乱が生まれた九州場所、白鵬がここから巻き返し、魁皇が地元ファンの前で意地を見せ、稀勢の里の躍進はあるのか?