3歳牡馬クラシックの第2戦・第79回日本ダービー(東京優駿)(GI・芝2400m 18頭立て)が27日、東京競馬場で行われました。2009年に生まれたサラブレッド7572頭のうち18頭しか出走できない今年のダービーは、皐月賞を制した⑥ゴールドシップ、⑧ワールドエース、⑩ディープブリランテ、⑦コスモオオゾラ、⑰グランデッツァの「皐月賞組」、「ダービートライアル組および別路線組」から青葉賞を勝った⑪フェノーメノ、プリンシパルステークス覇者①スピルバーグ、毎日杯からダービーに直行の②ヒストリカル、京都新聞杯を勝った⑬トーセンホマレボシ、2歳王者⑱アルフレードが参戦。79回目を迎えた競馬の祭典、最後はゴール前で激戦となりました。
直前の単勝の上位人気は、1番人気がワールドエース(2.5倍)、ゴールドシップ2番人気(3.1倍)、3番人気がディープブリランテ(8.5倍)。4番人気以降はグランデッツァ、ヒストリカル、フェノーメノと続きました。
注目のスタートで、スピルバーグが立ち遅れて最後方からのスタート。先行争いで、好スタートを見せた③ゼロスが先手を取り、トーセンホマレボシがディープブリランテをかわして2番手、ブリランテは掛かり気味ながら3番手、グランデッツァ5番手、フェノーメノ中団、ワールドエースとゴールドシップは中団より後ろの方で1コーナーを回りました。
1,2コーナー通過時点で早くも縦長の状態となり、向正面に入り、ゼロスが単独先頭。ホマレボシ2番手。3番手に⑬クラレント、その後ろにブリランテが4番手で控える。5番手にグランデッツァ、6番手⑫トリップ、フェノーメノは7番手。8番手グループには、コスモオオゾラ、⑮ブライトライン、10番手の位置にワールドエースがいて、その内に⑨エタンダールが並走。ゴールドシップはワールドより後ろの12番手。アルフレードは⑤ベールドインパクトと並走の13番手。離れた後方グループは、ヒストリカル17番手、しんがりはスピルバーグ。1枠勢2頭は共に後ろから。
3コーナーに入り、ゼロス先頭、トーセンホマレボシ2番手は変わらず。先頭グループの2頭は3番手以降を10馬身引き離しながら軽快に逃げ続ける。ブリランテ4番手、グランデッツァ、フェノーメノ、ワールドエース、ゴールドシップの有力勢はまだ仕掛けてこない。
4コーナーから最後の直線コースに差し掛かり、残り400mとなったところでトーセンホマレボシが先頭に浮上。後ろからディープブリランテ、グランデッツァ、フェノーメノが懸命に前を追いかける。ワールドエースとゴールドシップは伸びないか?残り200mを切ってブリランテがホマレボシを抜いて先頭に立つ。大外からフェノーメノが徐々に接近し、ゴール手前でディープブリランテと並んでFINISH!最後は2頭ほぼ同時、ディープブリランテが内で粘ったか?それともフェノーメノ逆転で青葉賞から初めてダービー馬が誕生か?
全着順&払戻金
1着⑩ディープブリランテ 2分23秒8
2着⑪フェノーメノ ハナ
3着⑭トーセンホマレボシ 3/4馬身
4着⑧ワールドエース クビ
5着⑥ゴールドシップ クビ
6着⑦コスモオオゾラ 1/2馬身
7着⑫トリップ 1馬身1/4
8着⑨エタンダール 1/2馬身
9着⑤ベールドインパクト クビ
10着⑰グランデッツァ 1馬身1/2
11着④ジャスタウェイ 3/4馬身
12着⑯モンストール 1馬身1/2
13着⑱アルフレード 1/2馬身
14着①スピルバーグ 2馬身
15着⑬クラレント 3/4馬身
16着③ゼロス 1馬身1/2
17着⑮ブライトライン 1馬身
18着②ヒストリカル 4馬身
払戻金
単勝 10 850円
複勝 10 310円 11 390円 14 440円
枠連 5-6 4870円
馬連 10-11 5680円
馬単 10-11 10180円
ワイド 10-11 1730円 10-14 1450円 11-14 2080円
3連複 10-11-14 14160円
3連単 10-11-14 87380円
ゴール前は激戦となった今年のダービー、ディープブリランテとフェノーメノが並ぶような態勢となりましたが、写真判定の結果、ディープブリランテが1着となり、見事7572頭の頂点に立ちました!フェノーメノは惜しくもハナ差の2着。外から必死に猛追しながらもあと一歩届かず。今年も青葉賞馬が2着に終わり、「青葉賞の呪い」は解かれませんでした。20度目のダービー挑戦だった蛯名正義騎手は、検量室前で号泣していたそうです。蛯名騎手のダービー初Vはいつ叶うのか…。
3着争いでは、道中攻めの走りを続けたトーセンホマレボシが粘って3着。1番人気だったワールドエースは4着、2冠を狙ったゴールドシップは5着に終わりました。上がり3ハロンでは共に33.8秒だったけど、序盤の位置取りが影響したのでしょうか?終わってみれば、掲示板圏内にディープインパクト産駒が3頭、ステイゴールド産駒が2頭載りました。
優勝したディープブリランテは父・ディープインパクトとの親子制覇を達成(史上6組目)。ディープ産駒から初のダービー馬を輩出し、先週のオークス(ジェンティルドンナ)に続き、2週連続でGI勝利をおさめました。鞍上の岩田康誠騎手は、7度目の挑戦でダービー初勝利。今年はフェブラリーS、桜花賞に次いでGI3勝目をマーク。岩田騎手は3週間前のNHKマイルカップで2週間の騎乗停止処分を受けていましたが、復帰していきなりGI勝ち。着順掲示板に「10番」の文字が上がると、馬上で男泣きしていました。管理する矢作芳人調教師もダービー初勝利です。
ブリランテが昨年の「東京スポーツ杯2歳ステークス」を快勝した時、「来年のクラシックでは、お父さんのように無敗でGIを勝つのかな」と期待していたのですが、年が明けてからは共同通信杯で2着、スプリングステークスで2着、皐月賞で3着と3連敗。上位に入りながらも勝ちきれないレースが続き、ダービーも厳しいかなと思っていました。しかし、この日は道中4番手からレースを進め、残り400mで先頭に立ち、そのままトップを譲らず、フェノーメノの猛追を抑えました。
勝因として挙げるなら「折り合いの悪さ」の克服、岩田騎手の気迫の騎乗といえるかも。3連敗したときはスタートしてすぐ行きたがるところを見せてしまったのが一番の原因で、先頭に立ちながらも最後失速するというシーンもありました。この日も少し掛かり気味だったけど、すぐさま修正。上手く折り合えた事が勝利に繋がったんじゃないかな。
ダービーを制したブリランテ、秋以降は菊花賞で2冠獲りに挑戦。その後にジャパンカップor有馬記念で古馬勢との対決もあり得るでしょう。オルフェーヴル、トーセンジョーダン、ルーラーシップといった先輩達を破り、国内最強を証明できるといいですな。
来週は東京競馬場で上半期マイル王決定戦・第62回安田記念が行われます。昨年の勝ち馬・リアルインパクトをはじめ、マイルCS覇者・エイシンアポロン、グランプリボス、アパパネ、マルセリーナのマイルGI勝ちを経験している馬や、ガルボ、サダムパテック、シルポート、トーセンレーヴといったマイル戦線で活躍する馬たちも登録。さらに、香港からラッキーナインとグロリアスデイズの2頭が参戦し、「中長距離組」のローズキングダムとペルーサ、ショウナンマイティがマイルに殴り込み。メンバーからして白熱したレースになりそうな予感がします。