2009年のJリーグを占う「富士ゼロックス・スーパーカップ」が28日、国立競技場で行われました。Jリーグ年間王者と天皇杯王者が対戦するこの大会、今年は鹿島アントラーズVSガンバ大阪という組み合わせ。鹿島は史上初のリーグ３連覇と悲願のアジア制覇を目指せば、大型新人・大迫勇也の加入でFW陣のレギュラーが過熱。対するガンバ大阪は、ゼロックス杯・ナビスコ杯・リーグ戦・ACLとあらゆるタイトルを総なめするために、高木和道、チョ・ジェジン、レアンドロと大型補強を進めました。今年の行方を左右するこの一戦、試合は鹿島が王者の風格を見せつけました。
両チームスタメン
鹿島アントラーズ ガンバ大阪
GK 21 曽ヶ端準 GK 22 藤ヶ谷陽介
DF 2 内田篤人 DF 2 中澤聡太
DF 3 岩政大樹 DF 5 山口 智
DF 19 伊野波雅彦 DF 4 高木和道
DF 7 新井場 徹 MF 8 寺田紳一
MF 15 青木 剛 MF 17 明神智和
MF 10 本山雅志 MF 27 橋本英郎
MF 8 野沢拓也 MF 13 安田理大
MF 11 ダニーロ MF 7 遠藤保仁
FW 13 興梠慎三 FW 9 ルーカス
FW 18 マルキーニョス FW 30 山崎雅人
鹿島は４－４－２のシステム、DFの岩政がキャプテンを務めることに。ガンバは ３バック、FWはルーカスと山崎の２トップ。鹿島の大迫、ガンバ・播戸竜二はベンチスタートです。
試合開始早々にガンバがチャンスを迎え、開始１分にルーカスが右足シュートを狙いますが、僅かに枠を捉えることが出来ません。この後も左サイドを中心に攻め立てるガンバですが、鹿島のディフェンスの前にゴールできず。６分、鹿島は２本目のCKを岩政が頭で合わせるところをGK藤ヶ谷が飛び出し、こぼれ球を興梠がボレーで押し込んで先制ゴール。14分には青木→興梠→新井場のクロスにマルキーニョスがガンバ守備陣との競り合いを制した後、確実に押し込んで２点目。開始15分で早々と２点のリードを奪います。
１点を返したいガンバは、17分に寺田のパスを受けた山崎がミドルを放つも鹿島GK・曽ヶ端の正面。20分に遠藤、21分には橋本が立て続けにシュートを狙いますが、ゴールネットを割ることが出来ません。27分過ぎからは再三にわたりFKがありましたが、鹿島守備陣が必死に守り続けます。迎えた39分、ダニーロが遠藤に倒されてFKを獲得。直後にダニーロのスルーパス→興梠のグラウンダークロスに野沢が合わせて３点目。押し込まれていた時間帯が続いていた鹿島でしたが、追加点で嫌な流れを止め、前半を３－０で折り返します。
ガンバは後半、中澤→播戸竜二、高木→パク・ドンヒョクとDFを２人下げ、更に３バックから４バックに変更します。その播戸は後半立ち上がりにゴール前へ飛び込むもダメ。後半９分には遠藤がFKを狙うも決められず。一方の鹿島は、後半７分に本山に代えて増田誓志を投入。後半10分過ぎからは鹿島の時間帯となり、後半13分にはペナルティ付近でのFKを野沢が狙うもボールは壁に直撃。
後半25分、ガンバは山崎を下げて佐々木勇人が３枚目のカードとして投入。直後に佐々木がドリブル突破からFKを獲得。このFKを遠藤がセンタリング→山口が頭で合わせるが、GK・曽ヶ端がファインセーブ！ガンバにとっては最高の決定的場面で１点を返すことができません。後半31分にはペナルティ付近・中央の位置でFKを獲得。絶好の位置で遠藤が狙うがボールは枠を捉えられず。33分にはルーカスが頭で合わせたもののGKにキャッチされ、36分には寺田がドリブルで持ち込んでシュートを放つも曽ヶ端の壁は厚い。
試合はこの後、鹿島は40分過ぎに田代有三と大迫勇也が投入、ガンバはロスタイムに遠藤が走りこんでシュートを狙うもバーを越えていきました。最後までガンバの反撃はありましたが、１点が遠く試合終了。鹿島アントラーズが前半の３点を守り切って逃げ切り勝ち。４度目のゼロックス杯優勝を飾りました。
というわけで、鹿島アントラーズがマルキーニョスと興梠の２トップが相次いでゴールを決め、ガンバの反撃を０点に抑えて快勝。10年ぶり４度目のゼロックス杯制覇で３連覇に向けまずは好スタートを切りました。注目の大迫選手ですが、後半ロスタイム前に登場し、ボールタッチが何度もありましたが、時間が無かったのでシュートに持ち込むことが出来ませんでした。本人は「何もしてないんで」と悔しそう、開幕戦ではもっと長く見てみたいですね。試合後は日曜日に開かれる鹿児島城西高校の卒業式のため鹿児島に直行。地元・鹿児島でも大迫選手の活躍に期待していますよ。
一方のガンバ大阪ですが、前半の３失点が響いて完敗。３バックで臨んだものの守備崩壊で全然ダメ、播戸と佐々木を投入して流れを変えようとしましたが、１点を奪い返せませんでした。この日は新戦力のチョ・ジェジンとレアンドロのFW組が欠場、加持亮と二川孝広も不在でした。大型補強をやったんだけど、練習試合を含めた対外試合ではまだ未勝利、不安要素を抱えたまま開幕戦を迎えることになりそうです。昨年同様リーグ戦で不振、国内無冠に終わったら過渡期突入の予感…。
