7月30日にディープインパクトが急逝してから5日経った8月4日は、新潟・小倉・札幌のメインレースに「ディープインパクト追悼競走」のサブタイトルをつけて実施されました。この日は新潟競馬場で3歳馬によるダート重賞・レパードステークス、小倉競馬場ではサマー2000シリーズ第3戦・小倉記念が行われました。
第55回農林水産省賞典小倉記念(GⅢ・芝2000m 13頭立て)は、ディープインパクト産駒から、目黒記念2着の②アイスバブル、⑦レトロロック、⑨カデナの3頭が出走。さらには重賞2連勝中の⑧メールドグラース、小倉大賞典2着③タニノフランケル、武豊とのコンビで2連勝中⑤アイスバブル、⑥ノーブルマーズ、⑪クリノヤマトノオーなどが参戦しました。
スタート後の先行争いで、⑬ストロングタイタン、①カフェブリッツ、タニノフランケルの3頭が前を行くが、ストロングタイタンがハナを奪う。アイスバブルは5番手、レトロロック7番手、アイスストーム8番手、メールドグラースは中団より後ろの位置で正面スタンド前を通過した。
1,2コーナー中間から向正面に入り、ストロングタイタンが先頭、2番手にタニノフランケル、ノーブルマーズが3番手進出。4番手争いは内側にカフェブリッツ、真ん中アイスバブル、外側に⑩シャイニービーム。その後ろの7番手にアイスストーム。8番手レトロロック、9番手クリノヤマトノオー、10番手⑫アドマイヤアルバ、11番手の位置にメールドグラースが追走。後方は12番手カデナ、④アウトライアーズが最後方。
13頭が一団の状態で3コーナーを回り、タイタンが先頭、タニフラ2番手、ノーブル3番手、バブルが単独4番手。外からストームとアルバが押し上げる。メールドは中団馬群。カデナが外に持ち出し、レトロが後方2番手に下がった。
4コーナーから最後の直線の攻防で、ストロングタイタン、タニノフランケル、ノーブルマーズの3頭が競り合い、残り200mでタニフラがわずかに前に出るが、ノーブルかわしにかかる。大外からメールドグラースが脚を伸ばし、さらにはカデナも強襲。ゴール前でタニフラとノーブルが激しくやり合うところを、大外からメールドがまとめて差し切り、先頭でゴールイン!後方から追い込んだカデナが2着となりました。
激戦の小倉記念は、単勝1番人気のメールドグラースが、大外から末脚を伸ばし、ゴール手前でタニノフランケルとノーブルマーズを捕らえて優勝しました。ディープ産駒のカデナが2着、ノーブルマーズが3着に入り、4番人気のタニノフランケルはハナ差の4着。同じディープ産駒&勝負服のアイスバブルが7着、レトロロックは8着。2番人気のアイスストームは11着に終わっています。
メールドグラースは新潟大賞典、鳴尾記念に続き重賞3連勝。前走と前々走はダミアン・レーン騎手が乗りましたが、この日は川田将雅騎手とコンビ再結成。トップハンデの57.5キロを背負いましたが、まったく苦になりませんでした。そんなメールドは、小倉で3戦3勝と負け知らず。初勝利も小倉で挙げております。今年だけで無傷の5連勝、この馬の秋での活躍が楽しみですね。
第11回レパードステークス(GⅢ・ダート1800m 15頭立て)は、ジャパンダートダービー2着⑩デルマルーヴル、ダート3連勝中の⑬サトノギャロス、得意の1800mで巻き返したい④ヴァイトブリック、ユニコーンステークス5着⑪エルモンストロ、⑨トイガー、③ブルベアイリーデ、⑮ビルジキール、⑦ブラックウォーリア、白毛馬⑥ハヤヤッコなどが参戦しました。
スタートは15頭横一線。最初のポジション争いで、サトノギャロスが前に出て、外からビルジキール、⑧ハヤブサナンデクンが接近。それに⑦ブラックウォーリアも先団に取り付く。エルモンストロは中団より前、デルマルーヴルは中団の位置。ヴァイトブリックは1コーナー通過時点で10番手あたり。
2コーナーから向正面のところで、サトノギャロスとハヤブサナンデクンの2頭が並走し、3番手ビルジキール、4番手⑫ロードリバーサル、ブラックウォーリア5番手、6番手エルモンストロ、内側7番手にデルマルーヴル、外側に⑭アッシェンプッテル。中団9番手にヴァイトブリック、10番手②アヴァンセ、11番手⑤ワシントンテソーロ、12番手にハヤヤッコ、13番手トイガー、14番手ブルベアイリーデ、①メスキータがポツンとしんがりを行く。
3,4コーナー中間で、ナンデクンが先頭に立ち、ギャロスが2番手。ビルジが3番手、デルマル4番手、ブラックが外側5番手。ヴァイトは8番手追走、エルモンは大外に持ち出した。
最後の直線に差し掛かり、デルマルーヴルがハヤブサナンデクンを抜いて先頭浮上。外からサトノギャロスが迫り、最内からトイガーが突っ込んでくる。外からはハヤヤッコとブルベアイリーデが伸びてきている。残り100mでデルマルがこのまま押し切るかと思われたが、ハヤヤッコがゴール前強襲し、デルマルを抜いて先頭でFINISH!白毛馬のハヤヤッコ、鮮やかな差し切り勝ち!
レパードステークスも混戦でしたが、単勝10番人気の伏兵・ハヤヤッコが後方から一気に追い上げて1着。白毛馬として初めてJRAの重賞競走を勝つ快挙を果たしました。日本競馬の歴史に新たな1ページが刻まれましたなぁ。それに、ディープの追悼競走で金子オーナーの所有馬が勝つのも運命のような気がします。
1番人気だったデルマルーヴルは、直線残り300mあたりで抜け出したものの、粘り切れず2着。3着には11番人気のトイガーが入りました。3番人気のサトノギャロスは5着。デルマルに迫るところも見せたけど、最後は脚が止まっちゃった。2番人気のヴァイトブリックは6着でした。
勝ったハヤヤッコは、国枝栄厩舎所属。父・キングカメハメハ、母・マシュマロの間に生まれました。マシュマロの姉のユキチャンは、ダート交流重賞で3勝の実績があります。そして鞍上の田辺裕信騎手は、先週のアイビスサマーダッシュに続いての重賞勝ちで、自身も重賞騎乗機会で4連勝。この夏の田辺騎手、絶好調です!