日曜日は皐月賞がありますが、その前に中山競馬場で恒例の障害GIレース・中山グランドジャンプが行われました。今年で11回目を数える春の№1ジャンパー決定戦、過去にオーストラリアの名ジャンパー・カラジが3連覇の偉業を果たし、日本勢ではゴーカイ、マルカラスカル、ブランディスが制しました。今年は昨年の中山大障害に続くJ・GIを狙う⑩キングジョイ、阪神スプリングジャンプ優勝の⑤トーワヒヨシマル、前哨戦のペガサスジャンプステークスを勝った⑧オープンガーデン、障害で8戦6勝の⑬スプリングゲント、豪州から参戦した③ジノラッドなど15頭が出走しました。
直前の単勝オッズでは、1番人気がキングジョイ(2.1倍)、スプリングゲントが2番人気(3.2倍)。その後差が開いて、3番人気にトーワヒヨシマル(10.7倍)、以下⑫テイエムエース、ジノラッドと続きました。
スタートから⑮グランツーリズモが先頭に立つと、最初の5号障害をトップで飛越。飛越直後に④コウヨウウェーブが先頭、有力馬は中段から後方の位置でレースを進める展開。正面スタンドでの連続障害、1,2コーナー中間付近での3号障害も全馬クリアし、1回目のバンケットを登り切った時点で、コウヨウウェーブ、グランツーリズモ、メイケイグリーンの3頭がレースを引っ張り、4番手以降を大きく引き離す。②テイエムトッパズレの後ろにキングジョイが5番手、⑨バトルブレーヴが6番手、トーワヒヨシマル8番手、9番手にスプリングゲント、その後テイエムエースとジノラッドという感じで1回目の大障害コースに入る。最初の難関・大竹柵をコウヨウウェーブが先頭で飛越すると、各馬が続々とジャンプし、最後方の⑦ドールリヴィエールまで全馬クリア!
逆回りに入り、キングジョイが3番手に浮上し、上位2頭は未だ変わらず。まだ縦長の状態のまま2度目の大障害コース。今度は赤レンガの大生垣が待ち構える。中山の赤壁(レッドクリフ)にコウヨウウェーブが先頭でジャンプ、グランツーリズモやキングジョイも続き、メイケイグリーンがバランスを崩すも持ちこたえて何とかクリア。その後も続々と飛越して赤レンガも落馬無し!
順回りでもコウヨウウェーブの独走が続き、キングジョイとスプリングゲントが2番手を捉える勢い。バンケットを終えた後に外回りコースに入り、スプリングゲントとキングジョイが独走を続けたコウヨウウェーブをかわして先頭に浮上。この2頭のマッチレースはこの後も続き、3,4コーナー付近でのハードル障害を並んで飛越。優勝争いはこの2頭に絞られ、3番手争いでは一度は⑪スタルカが浮上するが、オープンガーデンがかわして3番手に浮上。最後の直線に入り、2頭の競り合いからスプリングゲントが抜け出して最終障害をトップで飛越。それでもキングジョイが諦めずに並びかけようとするが、スプリングゲントが粘って1着ゴール!最後まで続いた競り合いを制して、JGI初勝利を飾りました!
最終成績&払戻金
1⑬スプリングゲント 4:49.1
2⑩キングジョイ クビ
3⑧オープンガーデン 大差
4⑭クルワザード 9
5⑦ドールリヴィエール 1.1/4
6③ジノラッド 6
7②テイエムトッパズレ 1/2
8④コウヨウウェーブ 2
9⑫テイエムエース 1/2
10⑪スタルカ 3.1/2
11⑨バトルブレーヴ 6
12⑤トーワヒヨシマル 5
13⑥クロタラリア 1/2
14⑮グランツーリズモ 大差
15①メイケイグリーン 大差
単勝 13 320円
複勝 13 130円 10 110円 8 390円
枠連 6-7 290円
馬連 10-13 370円
馬単 13-10 810円
ワイド 10-13 180円 8-13 1,120円 8-10 740円
3連複 8-10-13 2,060円
3連単 13-10-8 8,450円
スプリングゲントがキングジョイとのマッチレースを制して優勝、JGI連覇を狙ったキングジョイはクビ差の2着惜敗。大きく離された3着にオープンガーデンが入りました。3番人気のトーワヒヨシマルは見せ場なく12着に惨敗、唯一の海外馬・ジノラッドは6位に終わりました。落馬した馬は一頭もおらず、15頭が無事に完走を果たしました。スプリングゲントはJGI初勝利で重賞4勝目、鞍上の白浜雄造騎手は2度目のJGI制覇となりました。
優勝したスプリングゲントは、2006年に障害転向後は6連勝、特に重賞競走で3連勝と負け知らずで、中山大障害でも期待の1頭に挙げられましたが、右前浅屈腱炎で2年間の長い休養に入ります。昨年秋に平地で復帰し、前走の阪神スプリングジャンプで2着に入って復調の兆しが見られ、このグランドジャンプで復活Vとなりました。この馬にとっては約2年5カ月ぶりの勝ち星、9歳馬じゃ普通だったら引退してますが、JGIを制したんだから老いても強さを発揮するんだから驚きです。この後のレース、そして10歳となる来年も勝ち星を挙げられるのか?
外出していたためライブで見ることができず、ネット動画でこのレースを見たんですが、見ごたえのあったレースでしたな。ゴール前までデッドヒートを展開し、最後はスプリングゲントが粘り勝ちを見せました。キングジョイも惜しかったなぁ~。暮れの大障害でも今回のような一騎打ちが見てみたいものです。それに中山のJGIレースでは落馬やアクシデントが続いたので、今回も落馬する馬が出てくるんじゃないかと思いましたが、全馬無事完走できたことに安心しました。
さていよいよ、日曜日は牡馬クラシック第1戦の皐月賞です!今年は3強対決に注目が集まり、4戦無敗のロジユニヴァースが1枠1番、ロジと同じくネオユニヴァース産駒のアンライバルドが8枠16番、リーチザクラウンが大外の18番に入りました。前日オッズでは、ロジユニヴァースが1.8倍と圧倒的1番人気。アンライバルドが2番人気、リーチザクラウンが3番人気と3強が人気を集めています。
ロジが最内に入ったことで、一部メディアでは「魔の1枠1番」と呼ばれているそうです。そのジンクスはいくつか当てはまり、1994年にナリタブライアンが勝っていこう14年連続で勝利なし、1999年にはワンダーファングがゲートで暴れて競走除外、2000年にはラガーレグルスが競走中止という忌まわしい出来事がありました。ただ近年では、2007年にフサイチホウオーが3着、昨年はタケミカヅチ2着と上位に食い込んでいるから、今年は優勝するのでは?
18番に入ったリーチザクラウンは、奇しくも父のスペシャルウィークと同じ番号。11年前に父が挑戦しましたが、結果は3着に終わりました。父と同様3着に終わってしまうのか?そんなリーチに明るいデータが。皐月賞は2年連続で逃げ切り勝ちなので、逃げ馬のリーチが勝てば3年連続で逃げ馬が勝つことになります。ヴィクトリーとサニーブライアンも8枠に入って逃げ切りVをやったから、リーチもこの例に当てはまるかどうか?
アンライバルドは現在4戦3勝、新馬戦でリーチザクラウンに勝ったことがあるということで、ロジのライバル候補1番手として挙げられるでしょう。3勝全て岩田康誠騎手だからいけそうな気がする。なかなかGI勝利に恵まれない横山典弘騎手に対して岩田騎手は勝ち星を重ね続けているので、岩田マジックが炸裂すればロジに土をつけられるんじゃないかという期待もあります。
ロジユニヴァースが5連勝で皐月を制して1冠目か、リーチとアンライバルドがロジの勢いを止めるのか?それとも意外な伏兵が3強をねじ伏せて番狂わせを起こすのか?ロジが勝てば2冠も射程圏内であることは間違いなし、ロジが負ければ混戦の予感。とにかく牡馬クラシックの行方を占うレース。運命の一戦は15時40分スタートです。