2012年秋のマイル王決定戦・第29回マイルチャンピオンシップ(GI・芝1600m 18頭立て)が18日、京都競馬場で行われました。今年はマイルまたは中距離戦線で活躍した馬が集結し、安田記念馬⑬ストロングリターン、GI2勝の実績を持ちスワンステークスで苦手の京都を克服した⑦グランプリボス、今年マイル重賞2勝の⑰ドナウブルー、マイルCS連覇を狙う⑧エイシンアポロン、昨年の安田記念馬⑩リアルインパクト、中京記念の勝ち馬⑱フラガラッハ、2011年桜花賞馬⑯マルセリーナ、他にも①サダムパテック、②サンカルロ、④ダノンシャーク、⑤コスモセンサー、逃走一直線⑫シルポートといった無冠の古馬勢、⑪ファイナルフォーム、⑥レオアクティブ、⑮アイムユアーズの3歳勢3頭が参戦しました。
直前の単勝の上位人気は、グランプリボスが1番人気(4.0倍)、2番人気ストロングリターン(6.7倍)、3番人気がファイナルフォーム(6.9倍)。4番人気以降はサダムパテック、ドナウブルー、ダノンシャーク、レオアクティブ、マルセリーナ、リアルインパクト、シルポートと続きました。
ほぼ綺麗なスタートで始まったこのレース、好スタートを切ったシルポートがいつものように先手を取り、2番手グループには⑩ガルボ、コスモセンサー、エイシンアポロンの3頭。リアルインパクトと⑭フィフスペトルが5番手で並び、中団7番手にパテック追走。8番手のところにストリタ、グラボス、ドナウの3頭が固まり、サンカルロ11番手。12番手集団には③テイエムアンコール、ダノンシャーク、ファイナルフォームにアイムユアーズの4頭が横並び。後方では、レオアクティブ16番手、17番手マルセリーナ、しんがりフラガラッハ追走。
やや縦長の状態で外回り3コーナーに差し掛かり、先頭のシルポートは前半800mを47秒台で通過。アポロンが2番手に浮上し、ガルボとコスモセンサーが3番手争い。グランプリボスとドナウブルー、サダムパテック、ストロングリターン、ファイナルフォームの有力勢はまだ中団待機。
4コーナー~最後の直線コースに入り、シルポートまだ逃げ粘るが、大外からドナウブルーが追い込みに入る。残り200mでサダムパテックとリアルインパクトが真ん中から追い上げ、さらにグランプリボスが襲いかかる。ラスト100mを切ってパテックがシルポートを捉え、ドナウとグラボスの追撃を抑えて先頭でゴールイン!サダムパテックGI初制覇、そして鞍上・武豊騎手はマイルチャンピオンシップ悲願の初勝利!!
全着順&払戻金
1着①サダムパテック 1分32秒9
2着⑦グランプリボス クビ
3着⑰ドナウブルー 1/2馬身
4着⑫シルポート 1馬身1/4
5着⑩リアルインパクト クビ
6着④ダノンシャーク 1/2馬身
7着②サンカルロ 1/2馬身
8着⑬ストロングリターン 1/2馬身
9着⑤コスモセンサー クビ
10着⑮アイムユアーズ 3/4馬身
11着⑯マルセリーナ クビ
12着⑪ファイナルフォーム ハナ
13着⑭フィフスペトル クビ
14着⑧エイシンアポロン 1/2馬身
15着⑥レオアクティブ 3/4馬身
16着⑨ガルボ 1馬身3/4
17着⑱フラガラッハ クビ
18着③テイエムアンコール クビ
払戻金
単勝 1 1050円
複勝 1 370円 7 180円 17 330円
枠連 1-4 2060円
馬連 1-7 2520円
馬単 1-7 5560円
ワイド 1-7 1190円 1-17 2750円 7-17 890円
3連複 1-7-17 9230円
3連単 1-7-17 58050円
実力伯仲、混戦必至と言われた今年のマイルチャンピオンシップは、サダムパテックが直線で真ん中から割って入り、残り100m前を切ったところで逃げるシルポートを差し、グランプリボスとドナウブルーの追い上げを振り切り優勝。1番人気だったグランプリボスは、ゴール前でパテックに迫ったけど、クビ差の2着に敗れました。マイル春夏連覇を狙ったストロングリターンは8着、3番人気・ファイナルフォームは12着、前年度覇者・エイシンアポロンは14着に敗れました。
優勝したサダムパテックに騎乗した武豊騎手は、2010年のジャパンカップ以来2年ぶりとなるJRA・GI勝利で、通算66勝目。マイルチャンピオンシップは21回目の騎乗で念願の初勝利です。マイルCSは「武豊が勝てないGIレース」の一つであり、1989年にバンブーメモリーとのコンビで挑み、オグリキャップとの叩き合いの末2着惜敗。あの敗戦がトラウマになったのか、90年、2003年、2006年のレースで2着。20回挑戦して2着4回と「マイルCSの呪い」に苦しめられましたが、今年とうとう初勝利を挙げ、呪縛からようやく解放されました。これでGI未勝利のレースは朝日杯フューチュリティステークスのみ。史上初のGI完全制覇まであと1つです。
サダムパテックは2歳時にクラシックの主役候補として言われていましたが、朝日杯で3着、皐月賞2着、ダービー7着、菊花賞5着とGI連敗続き。クラシック後に中距離・マイル路線に転向し、京王杯スプリングカップで優勝するも、安田記念と秋の天皇賞では掲示板を外しました。そして7度目のGI挑戦で悲願の初制覇。ここまで来るのが本当に長かった…。パテック陣営は12月の香港マイル参戦を表明。日本に続いて香港でもマイルGI制覇なるでしょうか?
来週は「日本VS世界」のビッグレース・ジャパンカップが東京競馬場で行われます。凱旋門賞で2着に敗れたオルフェーヴルが、国内のターフに登場。さらには3冠牝馬・ジェンティルドンナ、秋の天皇賞馬・エイシンフラッシュ、ダービー2着・フェノーメノ、春天覇者・ビートブラック、昨年の雪辱に燃えるトーセンジョーダン、ダークシャドウ、ルーラーシップなどが登録しています。海外からは凱旋門賞でオルフェを破って優勝したソレミア、ドバイシーマクラシック2着・ジャッカルベリー、マウントアトス、レッドカドー、スリプトラが参戦します。日本のトップホースと海外からの刺客が一堂に会するこの秋最大の大一番を制するのは?