2016年の夏競馬も4日で最終日。小倉競馬場で「小倉2歳ステークス」、新潟競馬場ではサマー2000シリーズ最終戦「新潟記念」が行われました。
台風12号の接近で開催が危ぶまれていたけど、予定通りの開催となった小倉のメイン・第36回小倉2歳ステークス(GⅢ・芝1200m 15頭立て)は、フェニックス賞を勝った⑤クインズサリナ、九州産馬限定のひまわり賞を制した③カシノマスト、同じく九州産馬の⑭テイエムヒッタマゲ、函館2歳ステークスに続いての重賞挑戦となる⑨ドゥモワゼル、④レーヌミノル、⑧オールポッシブル、リーチザクラウン産駒⑬キョウヘイ、⑪メイソンジュニアなどが参戦しました。
スタートで①ビーカーリーが出遅れる。⑦ナムラアイドルが先手を取り、レーヌミノルとクインズサリナの3枠2頭が2,3番手で並ぶ。4番手グループには⑧オールポッシブル・カシノマスト・⑥シゲルベンガルトラ・⑩ハルクンノテソーロの4頭が一団を形成。内側8番手に②ダイイチターミナル、外側9番手⑪メイソンジュニア、10番手⑫ブラックランナー、11番手⑮ドリームアロー、12番手にドゥモワゼル。後方は13番手と14番手にキョウヘイとテイエムヒッタマゲ、ビーカーリーが最後方という展開。
3,4コーナー中間点を通過したところで、今度はレーヌがアイドルをかわして先頭に浮上。サリナも2番手に上昇。カシマスとポッシブルも好位追走。4コーナーから最後の直線コースへと差し掛かり、レーヌミノルが先頭、カシノマストが2番手に浮上するが、レーヌミノルが一気に突き放し、最後は持ったままで余裕のフィニッシュ。そして2着争いはダイイチターミナルがゴール前でカシノマストを抜いて2着、カシマスは3着ゴール。
小倉2歳チャンピオン決定戦は、単勝1番人気のレーヌミノルが圧勝。2着のダイイチターミナルは10番人気の伏兵。九州産馬のカシノマストは3着と健闘。2番人気だったクインズサリナは6着、3番人気のオールポッシブルは9着に終わりました。
勝ったレーヌミノルは新馬戦に続き、デビュー2連勝。鞍上の浜中俊騎手は小倉2歳ステークスで4勝目。安田隆行元騎手、和田竜二騎手の3勝を抜き、同レースの歴代最多勝となりました。レーヌミノルは本田優厩舎に所属し、父・ダイワメジャー、母・ダイワエンジェル、母の父・タイキシャトルという血統です。
新馬戦ではムチを一発入れただけで快勝しましたが、この日は3コーナーで早くも先頭に立つと、直線で後続を引き離し、最後は6馬身の大差をつけてゴールしました。スピードも他馬とは全然違いすぎるし、勝ちタイムの1分8秒0は、2歳にしては優秀といえるでしょう。1200mで圧倒した分、距離を延長しても好走しそうな予感がします。なんてったって父と祖父は日本を代表する名マイラーでしたから。レーヌミノルもマイルのGⅠで勝てるか期待したくなります。
新潟のメイン・第52回農林水産省賞典 新潟記念(GⅢ・芝2000m)は18頭立てで行われました。サマー2000シリーズの最終戦ということで、函館記念を勝った⑩マイネルミラノ、七夕賞を勝った⑭アルバートドック、小倉記念を勝った⑱クランモンタナの重賞ウィナー、さらに優勝の可能性を残している③ダコールも参戦。他にも小倉記念2着①ベルーフ、連勝中の⑰アデイインザライフ、②エキストラエンド、⑧ルミナスウォリアー、⑦ファントムライトなどが出走しました。
18頭綺麗なスタートで始まったこのレース、好ダッシュを見せたクランモンタナが行くかと思いきや、⑨メイショウナルトが前に出ると、そのまま一人旅。クランモンタナ2番手、3番手にマイネルミラノ、4番手④バーディイーグル,5番手⑬エーシンマックス。6番手グループにはエキストラエンド・⑥アロマカフェ・ファントムライト・⑯ムスカテールの4頭が横一列の状態。その後ろの中団グループには、ダコール・⑤マジェスティハーツ・ルミナスウォリアー・⑪マイネルディーン・アルバートドックの5頭が固まっている。15,16番手の位置に⑬サトノギャラントと⑫ロンギングダンサー。17番手アデイインザライフ、ベルーフが最後方を追走する。
外回りコースに差し掛かり、大逃げを打つナルトは前半1000mを58秒5で通過。3コーナーのところでダコールが2番手に浮上。モンタナ3番手、エキストラとミラノも好位待機。ドックとルミナスは中団馬群、アデイとベルーフは後方のまま長い直線コースに突入。
直線に入ってもメイショウナルトが後続に大差をつけて逃げ続けるが、ゴールまで残り400mを切って差が徐々に縮まる。クランモンタナ、マイネルミラノが接近し、真ん中からルミナスウォリアーとファントムライト、さらに大外からアデイインザライフが追い込んできた。残り200mでアデイが先頭に立ち、内からアルバートドックが襲い掛かるが、アデイインザライフが先頭でゴールイン!アデイインザライフが重賞初制覇を手にしました!
夏の新潟のフィナーレを飾るハンデ戦は、メイショウナルトの大逃げに場内がどよめき、直線で後ろでじっくり控えていた馬たちが「グワァーッ」とした感じで追い上げ、横一列の激しい先頭争いが繰り広げられました。どの馬が勝ってもおかしくないレースでしたが、2番人気のアデイインザライフが大外から抜け出して優勝しました。2着には1番人気のアルバートドック、3着にはロンギングダンサーが入りました。3番人気のダコールは、一旦は2番手に上がったものの、直線で沈んで16着。シリーズ優勝の可能性があったマイネルミラノは8着、クランモンタナは9着でした。
アデイインザライフは、1000万下、1600万下(準オープン)に続いての3連勝。前走から約5ヶ月の休み明けだったけど、重賞で結果を残しました。向正面で後方2番手を追走し、直線で外ラチ沿いから一気に追い込んでの差し切り勝ち。馬場の真ん中ではなく外に進路を取って正解でしたなぁ。新潟記念で賞金を加算できたことで、秋の天皇賞参戦に大きく前進。秋天の前に毎日王冠を使うのか、それとも直行か?
鞍上の横山典弘騎手は、史上4人目となるJRA全10場の重賞制覇を達成。今年でデビュー31年目ですが、今まで新潟の重賞競走で一度も勝てていなかったなんて意外でした。
というわけで、サマー2000シリーズは全日程を終え、アルバートドックがシリーズ王者に輝きました。七夕賞で1着(10点)を獲得すると、今回の新潟記念で2着に入り5点獲得。2戦合計15点を獲得し、札幌記念を優勝したネオリアリズム(12点)を逆転しました。クランモンタナとマイネルミラノが11点で3位タイ、新潟記念を制したアデイインザライフが10点で5位となりました。
来週からは秋競馬がスタート。11日は中山競馬場でサマーマイルシリーズ最終戦・京成杯オータムハンデ、阪神競馬場ではスプリンターズステークスの前哨戦・セントウルステークスが行われます。
京成杯AHにはNHKマイルカップ2着のロードクエスト、2014年2歳王者・ダノンプラチナ、関屋記念2着・ダノンリバティ、中京記念2着・ピークトラム、ダンスアミーガ、ペイシャフェリス、ワキノブレイブ、トウショウドラフタ
などが登録。
セントウルステークスには、高松宮記念覇者・ビッグアーサーが登場。他にもスノードラゴン、エイシンブルズアイ、ウリウリ、ネロ、ダンスディレクター、ラヴァーズポイントらが出走します。
そして、11日夜にはフランス・シャンティ競馬場にて、マカヒキが「凱旋門賞」のステップレースの一つ・ニエル賞に出走します。シャンティ競馬場といえば、エイシンヒカリがイスパーン賞で圧勝した場所です。マカヒキも好走できるはずだが…。日本ダービー馬の意地を見せてくれ!