ロンドン五輪2日目は、女子サッカー以外にもメダルの期待がかかった日本人選手が出場。柔道では女子48キロ級の福見友子選手、男子60キロ級の平岡拓晃選手が登場しました。
福見選手は、1回戦でオリアナ・ブランコ(スペイン)を相手に延長の末、腰絞めで一本勝ち。2回戦は地元・イギリスのケリー・エドワーズと対戦し、開始2分30秒に巴投げで技ありを奪い、さらに寝技に持ち込み縦四方固めで合わせて一本。準々決勝はパウラ・パレト(アルゼンチン)に優勢勝ちし、順当に準決勝進出を果たします。しかし、準決勝のアリナ・ドゥミトル(ルーマニア)戦では、序盤に技ありを許し、その後も挽回できず敗退。決勝進出を逃して3位決定戦に進みましたが、チェルノビチュキー・エバ(ハンガリー)を相手に腕ひしぎ十字固めを極められるピンチもあり、延長戦で小外刈りで一本負けを喫し、5位入賞でメダルを逃してしまいました。
なお決勝戦は、サラ・メネゼス(ブラジル)とアリナ・ドゥミトルが対戦し、メネゼスが技ありと有効のポイントを奪い、優勢勝ちで金メダルを獲得しました。
男子60キロ級の平岡選手は、初戦となった2回戦でイギリスのアシュリー・マッケンジーと戦い、地元の大声援の前に苦しみながらも背負い投げで一本勝ち。3回戦はアルチョム・アルシャンスキー(イスラエル)に優勢勝ち、準々決勝ではフランスのソフィアヌ・ミルーと対戦し、2つの指導で有効を取られてピンチを迎えますが、終了直前に小外刈りで有効を奪い、ポイントで並んで延長へ。延長でも決着がつかず、旗判定の結果3-0で平岡が勝利。
準決勝、エリオ・ベルデ(イタリア)と対戦し、開始30秒に背負い投げで技あり、1分8秒には大内刈りを決めて決勝進出を果たし、銀メダル以上を確定させます。迎えた決勝戦、平岡選手はアルセン・ガルスチャン(ロシア)と戦い、ガルスチャンの内またをすくい投げで返そうとしたところ、外巻き込みを受けてしまいます。一旦は技ありと判定されましたが、協議の結果一本に変更。平岡選手は一本負けを喫して銀メダルに終わりました。
柔道1日目は男女とも金メダル獲得を期待されましたが、平岡選手は銀メダルを獲得。福見選手は5位に終わりました。女子48キロ級はこれまで5大会連続でメダルを獲得(全て谷亮子さん)していましたが、メダルを逃したのはこれが初めてとなります。
平岡選手は前回の北京大会で初戦敗退を喫しましたが、2011年の世界選手権で銀メダルを獲得。4年前のリベンジで臨んだこの大会では、決勝まで上り詰めたものの、決勝ではわずか40秒で一本負け…。またしても世界一には届きませんでしたが、ロンドン五輪の日本選手のメダル第1号となりました。この悔しさは来年の世界選手権、2014年のリオデジャネイロ五輪で晴らしてほしい!
福見選手は48キロ級の世界ランク1位とあって、金メダルの大本命と言われていたのですが、まさかのメダルなし。27歳にしてようやく掴んだ五輪は不完全燃焼に終わりました。五輪後は代表引退の意向を示しており、おそらくこれが最初で最後のチャレンジとなるでしょう。個人的にも金メダル取れるだろうと思っていたので、この結果には残念としか言えません。
そして女子重量挙げでは、48キロ級の三宅宏実選手が銀メダルを獲得しました!女子重量挙げでの日本人選手のメダル獲得は史上初の快挙です。
三宅選手は前半のスナッチで、1回目を83㎏を持ち上げ、2回目は日本新記録となる85kgに挑戦して成功。さらに3回目では87kgを持ち上げて日本記録を更新。スナッチ終了時点で2位とメダル圏内。後半のクリーン&ジャークは、1回目の108㎏、2回目の110kgを成功させましたが、3回目の113kgを持ち上げる事が出来ず失敗。後半は110kgに終わり、トータル197㎏で2位に入りました。
また、この種目には水落穂南も出場し、前半のスナッチで80kg、後半のクリーン&ジャークでは96kgを記録。合計176kgで6位入賞でした。優勝は中国の王明娟選手で、合計205kg(スナッチ91kg、ジャーク114㎏)を記録して金メダルを獲得しました。
三宅宏実選手、3度目の五輪挑戦で悲願のメダル獲得!初挑戦のアテネ大会では9位、2度目の北京大会では6位入賞とメダルには届きませんでしたが、3度目の正直でやっと手にしました。父の義行さんはメキシコ五輪で銅メダルを取りましたが、宏実さんは父を越える銀メダル。親子で五輪メダリストなんて素晴らしい!前半のスナッチで87kgの日本記録を樹立したことがメダルのきっかけじゃないかと思います。もしジャーク3回目が成功していたら、大台の200kgに到達していました。惜しかったけど、チャレンジする辺りは凄いんじゃないかと思います。