東日本大震災から3週間が経過、4月に入って新年度を迎えましたが、関東地区はまだ競馬が再開されません。4月2日は阪神競馬場で春の天皇賞前哨戦の一つ・日経賞と、牝馬重賞・中山牝馬ステークスが行われました。日経賞にはGI馬が続々と参戦し、豪華メンバーが集結、中山牝馬Sは波乱決着となりました。
阪神11R・第59回日経賞(GⅡ・芝2400m 10頭立て)は10頭で争われ、「最強4歳世代」からは、昨年のジャパンカップを勝った⑨ローズキングダムをはじめ、京都記念を制した①トゥザグローリー、有馬記念以来3か月ぶりの実戦となる⑤ペルーサ、菊花賞馬④ビッグウィークの4頭が出走。他にも日経賞連覇に挑む⑥マイネルキッツ、⑦ミヤビランベリのベテラン勢が4歳勢に対抗。春の盾に向けた重要な一戦を制し、春天の最有力候補となるのは?
スタートはほぼ揃った形。出遅れ癖のあるペルーサも上手く出る事ができました。スタンド前での先行争いでは、②エーシンジーラインとビッグウィークの2頭が並び、トゥザグローリー4番手、ローズキングダム5番手、ペルーサ6番手でゴール板を過ぎていきます。2コーナーから向正面に入り、エーシンジーラインが単独先頭、ビッグウィーク2番手。3番手にミヤビランベリ、トゥザグローリーは4番手を追走。その後ろの5番手にローズキングダム、ペルーサは中団よりやや後ろの位置の6番手と順位は変わらず。後方にはマイネルキッツが7,8番手追走、⑩トップカミング、⑦ドットコム、③トーセンクラウンが最後方。
外回り3コーナーに差し掛かり、ジーラインが3馬身リード、2番手にはトゥザグロ、ビッグウィーク、ランベリの3頭が並び、中団ではローキン5番手、キッツが6番手に上がりペルーサと並走。残り800mでミヤビランベリが先頭に浮上、ビッグウィークは3番手に後退。ローズキングダムは外に持ち出し、トゥザグローリーはまだ最内で控えている。そして4コーナーから最後の直線。ローズキングダムがここで勝負を仕掛け、エーシンジーラインをかわして先頭に躍り出るが、真ん中からトゥザグローリーが抜け出した!さらに大外からペルーサが猛追。トゥザグロは残り200mを切って一気に引き離し、そのまま先頭でゴールイン!2着争いではペルーサがゴール前でローキンを捕らえて2着、ローズキングダムは3着。
トゥザグローリーが1番人気の支持に応え、2着に2馬身半差の快勝で日経賞を制覇!これで京都記念に続いて重賞2連勝を飾り、春の天皇賞へ大きく近づきました。2着に2番人気のペルーサ、ローズキングダム3着で3歳勢が上位を独占。連覇を目指したマイネルキッツは4着、菊花賞馬のビッグウィークは最後失速して最下位の10着に終わりました。
トゥザグロは2月までは池江泰郎厩舎に所属していましたが、父の勇退により息子の泰寿厩舎に転厩。移籍初戦となる初戦では、池江父子が見守る中で同世代のライバルたちを捻じ伏せて完勝。ここ4戦で重賞3勝とタイトル稼ぎまくり、福永祐一騎手との息もピッタリです。次走の春天では、ここ最近の好調ぶりと日経賞での好走が評価されて優勝候補の本命に挙げられると思います。未知の距離である3200mの長丁場を克服する事、その距離を走り切れる体力が求められそうです。
ローズキングダムは今年2走目も3着。ペルーサに初めて先着を許してしまいました。前走より1キロ重い59kgの斤量は酷だったのかな~?ライバルのヴィクトワールピサがドバイを制し、ローキンはやや不振気味。有馬記念以降2頭の差がかなり拡がったような気がします。天皇賞で巻き返してもう一度バラを咲かすことができるのでしょうか?
阪神のこの日の最終競走・第29回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ・芝1800m 18頭立て)には、③ヒカルアマランサス、⑬プロヴィナージュ、⑮ワイルドラズベリー、⑩アプリコットフィズ、⑪ブロードストリート、⑱カウアイレーン、⑰オウケンサクラ、⑦アグネスワルツなどが出走しました。
スタートで⑭レディアルバローザがポンと出ましたが、すぐに⑤バイタルスタイルが飛び出して先手を取ります。2番手にはオウケンサクラ、⑯スマートマトルーフ、⑧アドマイヤテンバの3頭が競り合い、アプリコットは⑥ディアアレトゥーサと並んで5,6番手。中団にはプロヴィナージュ、クーデグレイス、④コスモネモシンが7番手争い。10番手の位置にカウアイレーン、アルバローザがいて、後方には14番手にブロードストリート、ヒカルアマランサス15番手、その後ろにワイルドラズベリーが追走し、アグネスワルツ最後方。
縦長で3コーナーに入り、残り800m通過時点でバイタルスタイル先頭、2番手にオウケンサクラ、テンバ3番手。アプリコットフィズはまだ5番手、有力馬は未だに中団から後方待機。4コーナーから直線コースに向かい、18頭が横に拡がる。バイタルスタイルがまだ逃げ粘るところ、オウケンサクラ、コスモネモシン、アドマイヤテンバ、スイートマトルーフなどが追い上げる。残り200mで真ん中からレディアルバローザが、大外から⑫フミノイマージンが追い込んできた。残り100を切り、アルバローザがネモシンをかわし、最後は2馬身以上離してFINISH。レディアルバローザ重賞初制覇!
ハンデ戦に相応しい激戦となった中山牝馬ステークスは、直線で馬群を上手くすり抜けたレディアルバローザが制しました。2着には14番人気のフミノイマージン、13番人気コスモネモシンが3着に入り、3連単で244万6260円という波乱決着となりました。1番人気だったワイルドラズベリーは8着、2番人気のヒカルアマランサスは9着、プロヴィナージュ10着、アプリコットフィズ18着と上位人気は総崩れ…。
レディアルバローザに騎乗したのは、日経賞で勝ったばかりの福永祐一騎手!同日重賞W制覇は1987年の嶋田功さん以来史上3人目となります。この日の福永騎手は本当に勝負運と実力の両方を持ってましたねえ。レーヴディソールが骨折でクラシック絶望、大一番で乗れない悔しさと鬱憤をW制覇という形で晴らしました。ちなみに、日経賞を勝ったトゥザグローリーとレディアルバローザはどちらもキングカメハメハ産駒で、アルバローザも池江泰郎厩舎に所属していました。
3日の日曜日は産経大阪杯とダービー卿チャレンジトロフィーが行われます。大阪杯は昨年のダービー馬⑮エイシンフラッシュ、マイルカップ覇者⑩ダノンシャンティ、さらには⑦ドリームジャーニーと⑤キャプテントゥーレのGI馬4頭が参戦。他には②リディル、⑧ヒルノダムール、⑬ダークシャドウが虎視眈眈と狙います。大阪杯の場合は天皇賞以外にも安田記念や宝塚記念を目標としている馬が出ております。古馬戦線を占う大事なレースになりそうです。
マイル重賞のダービー卿は、⑪キングストリート、⑤ライブコンサート、②ダンツホウテイ、⑨ショウワモダンなどが出走します。土曜日に重賞2連勝を果たした福永騎手は、大阪杯で⑬ダークシャドウ、ダービー卿ではライブコンサートに騎乗します。日曜日も重賞制覇なるか?