

1月5日に開幕した中山・京都の「新春シリーズ」は、24日に最終日を迎えました。この日は中山競馬場で正月開催のフィナーレを飾る伝統のGⅡ競走・アメリカンジョッキークラブカップ(AJCC)、京都競馬場ではダート重賞・平安ステークスが行われました。
中山のメイン競走・第51回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)は13頭で争われ、2008年の皐月賞馬・④キャプテントゥーレ、昨年の春の天皇賞馬・⑦マイネルキッツ、2007年のシンガポール航空インターナショナルカップ優勝・⑬シャドウゲイトといった国内外のGIウィナー3頭が登場しました。他には前回の覇者・⑨ネヴァブション、①デルフォイ、②トウショウシロッコ、⑧ゴールデンダリア、⑩ダイワワイルドボアの「前走中山金杯組」が参戦。
スタートでキャプテントゥーレとシャドウゲイトが好スタートを切り、スタンド前でキャプテン、シャドウ、⑥ベルモントルパンの3頭が先行を争い、1コーナー通過地点でベルモントルパンが先頭に立つが、外回りに入るところでシャドウゲイトが鼻を奪う。キャプテントゥーレは3番手、4番手に⑫アドマイヤコマンド、ネヴァブション5番手。中団にはデルフォイ、ワイルドボア、シロッコの3頭が並び、後方集団にはマイネルキッツが10番手、⑪アルコセニョーラが後方2番手、⑤ドットコムが最後方。
道中縦長の状態のまま3コーナーに入り、シャドウゲイトが依然としてペースを握る。残り800mでキャプテンが押し上げてきて、アドマイヤコマンドやワイルドボアが迫る。前は固まり、マイネルキッツはまだ後方のまま最終コーナーから直線へ。シャドウゲイトが先頭で逃げ粘ると、内からトウショウシロッコとネヴァブションが追い上げる。さらに大外からゴールデンダリアとマイネルキッツが追い込んでくるが届きそうにない。それにキャプテントゥーレは後退して馬群にのまれた。残り200~100mを切り、2番手のネヴァブションが逃げるシャドウゲイトをかわしてFINISH!
ネヴァブションがAJCC2連覇達成、ゴール前まで逃げ粘ったシャドウゲイトは惜しくも2着…。3着にはトウショウシロッコが入りました。マイネルキッツは4着、2番人気・デルフォイ6着、1番人気のキャプテントゥーレは、直線で失速して11着に敗れました。
ネヴァブションはこのレースで史上2頭目の連覇を果たし、横山典弘騎手は先週の京成杯に続いて2週連続の重賞制覇です。昨年は2馬身半差の快勝、今年は逃げるシャドウゲイトをゴール前で捕らえてクビ差の勝利。同一重賞V2で春の古馬戦線に名乗りを挙げたネヴァブション、2009年はGIで2ケタ順位と不本意なシーズンに終わったけど、今年こそ上位に入ってもらいたい。
京都ではダートの重賞競走・第17回平安ステークス(GⅢ)がありました。2月21日のダート頂上決戦「フェブラリーS」を目指す馬達が集まり、当初は13頭が出走予定でしたが、③フサイチギガダイヤが感冒のため出走取消となり、12頭で争われました。このレースには京都ダート1800mのレコードホルダーであり、ここ数戦白星から見放されている⑪ウォータクティクス、昨年末の東京大賞典で3着と健闘した④ロールオブザダイス、重賞初挑戦の⑤ダイシンオレンジ、⑨アドバンスウェイ、⑬ダイショウジェット、①トーセンアーチャー、⑦ネイキッドなどが参戦しました。
スタートはバラバラ、トーセンアーチャー、⑫ポートラヴが出遅れ。②トシナギサがスタートと同時に飛び出して先頭に立ち、アドバンスウェイとウォータクティクスも押し上げて早めの位置取り。向正面ではトシナギサとアドバンスウェイの2頭が前を行き、3番手にウォータクティクス。その後ろの4番手にダイシンオレンジがいて、ネイキッドと並走。6番手にダイショウジェット、ロールオブザダイスは9番手、後方には出遅れたトーセンアーチャーがいる展開。
3コーナーに入り、アドバンスウェイがトシナギサに接近し、タクティクスはまだ3番手キープ。ダイシンオレンジまだ5番手。有力馬はまだ動きを見せない中、後方で⑩フォーリクラッセが落馬競走中止。残り400mでトシナギサが後退。代わってアドバンスウェイとウォータクティクスの2頭が先頭争いをするが、200mでロールオブザダイス、ネイキッド、ダイシンオレンジも加わり、5頭が並ぶ大混戦に。その中でロールオブザダイスが先頭で抜け出し勝利、ダイシンオレンジが2番手に浮上するもダイスに届かず。3着にはネイキッドが入線。
単勝5番人気だったロールオブザダイスが嬉しい重賞初勝利。フェブラリーステークスの有力候補に名乗りを挙げました。実況担当の岡安アナウンサー(関西テレビ)が「ヴァーミリアンもサクセスブロッケンもうかうかしていられない」と言ってましたけど、勝てる可能性は少ないと思います。それに岡安さん、エスポワールシチーを忘れてませんか?2番人気のウォータクティクスは直線で失速し8着。アドバンスウェイも失速し6着でした。なお3コーナーでフォーリクラッセが落馬し、鞍上の武幸四郎騎手に異常は無かったものの、馬は右第1指関節脱臼で予後不良となりました。
このレース1番人気のダイシンオレンジは2着、平安Sは1番人気は11連敗となりました。1番人気が勝てない重賞レースは七夕賞が有名だけど、これに次ぐのが平安Sなのでしょうか?
来週から東京競馬場が開幕、土曜日はマイル重賞の「東京新聞杯」、日曜日はダート重賞・根岸ステークスが行われます。根岸SにはJBCスプリント勝ち馬・スーニ、グロリアスノア、インバルコ、ビクトリーテツニー、ダイワディライトなどが登録しています。その前の水曜日には川崎競馬場で「川崎記念」があり、ヴァーミリアンとゴールデンチケット、テスタマッタなどが出走します。フェブラリーステークスの前哨戦が相次ぎ、本番に弾みをつける馬が続々と登場するでしょう。バンクーバー五輪もいいけど、砂の戦いも見逃せない。




