風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

『家栽の人』 2

2006-02-03 00:19:40 | テレビ

「人の命を奪えるほどの不幸は、存在しないんです」

(TVドラマ『家栽の人』より)

最終回、片岡鶴太郎さん演じる桑田判事は、連続殺人を犯した少年がなぜそのような事件を起こしたのか、その原因を追究するため自ら少年の故郷へ赴きます。
そこで彼は、少年が幼い頃に母親が殺され、その死体を発見したのが少年自身であったという不幸な事実を知ります。その悲惨な過去が少年の人格形成に多大な影響を及ぼし、その結果このような事件につながったことは明白でした。
上の言葉は、過去に一度も少年院送致の決定をしたことのなかった桑田判事が、初めてそれを言い渡すとき、少年に向かい涙を流し告げた言葉です。
とても重い、言葉だと思います。
この涙は、被害者に対してというよりも、少年に対して流された涙です。
こんな風に少年と真正面から向き合い、その過去、現在、そして将来について真剣に考え涙を流してくれるような大人にもっと早く出会えていれば、少年がこのような事件を起こすことは、あるいはなかったかもしれません。

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