シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ヴェルサイユの宮廷庭師

2015-10-26 | シネマ あ行

監督がアランリックマンで主演がケイトウィンスレットとなれば、やはり見に行きたいなぁと思って行ってきました。

ルイ14世(リックマン)がヴェルサイユ宮殿を作ることになり、国王の庭園建築家のアンドレルノートルマティアススーナールツは庭師を雇うことにする。数人の面接を経てサビーヌドバラ(ウィンスレット)が選ばれる。ルノートルは自分にはない感覚を持つ彼女が宮殿に新風を吹かせることに期待していた。

サビーヌには夫と子供を亡くした過去があり、ルノートルは不幸な結婚をしていたが、2人は次第に魅かれていく。

ワタクシはケイトウィンスレットのファンなので、久しぶりに彼女の主演作を見ることができて嬉しかったです。アランリックマンとも旧知の仲だし、彼女にピッタリな役を当ててもらえたなという感じの役でした。

イギリス人がどうしてわざわざヴェルサイユを舞台に映画を作ったのかな。バッキンガムではドラマとして物足りなかったのか。せっかくヴェルサイユを舞台にするんだったら、もっとサビーヌたちが手掛けた庭が美しく完成していく様子をうまく見せてほしかったです。ドロドロの建築中から最後にいきなり完成!ってなってしまってちょっとその辺りの感動が足りなかった気がします。

サビーヌが過去と対峙してルノートルとの新しい恋に向かっていくという部分もまぁありきたりと言えばありきたりかな。平民のサビーヌが王様や貴族たちにウィットの効いた思いやりのある言葉で接して、彼らに気付きを与えるというところはなかなかに良かったと思います。ルイ14世が「太陽王」と呼ばれたことにちなんだセリフもありましたね。

子どもを亡くしているサビーヌが同じように子どもを亡くした経験のある宮廷の女性たちとその過去を話すシーンは現代で言うところのグループセラピーみたいな感じでした。あの時代、何が原因であれ子どもを亡くすというのはさほど珍しいことではなかったのかもしれませんが、やはりだからと言って傷が浅く済むわけではなかったでしょう。セラピーなどという概念がなかった時代にも彼女たちにしか分からない痛みを分かち合うということは自然になされていたかもしれません。サビーナというキャラクターの描写にアランリックマンの女性への敬意と優しいまなざしを感じることができました。

舞台がベルサイユで実在の王様とかが登場するから本当の話かと思ったらサビーヌは架空の人物だったんですね。残念。これが本当の話だったらすごく良かったのになぁ。



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