公開したとき見に行きたかったんだけど、ボヤボヤしているうちにいつの間にか終わってしまった…もう少し、大きく公開されると思ってボケッとしていたら小さく公開で終わってしまいました。
アメリカの有名誌、大統領専用機にも乗っているというのがご自慢の「ニューリパブリック誌」。ここのジャーナリストが記事を捏造していたという一大スキャンダルを映画化した作品。そう聞いただけでめちゃくちゃ面白そうじゃないですか
"Are you mad at me?" 「僕に怒ってる?」
これがこのジャーナリスト、スティーブングラスヘイデンスリステンセンの口グセ。およそ、アメリカ人の大人の男性の口グセとは思えない。彼は同僚や先輩への気配りを忘れず、誰にでも公平に接し非常に他人ウケはいいが、この口グセはちょっと曲者。常に他人に対して自分がどう映っているかを気にしている彼の他人への依存度や頼りなさを的確に表しているように思える。
みなに愛され、次々と面白い記事ネタを見つけてくる才能あるジャーナリスト。あの潤んだ瞳で「僕に怒ってるの?」なんて言われたら、彼の言うことを信じたくもなるし、守ってやりたくもなるのだろう。彼は自分のそういうキャラクターを利用して捏造記事をどんどん書いていった。そのキャラクターを彼は利用したが、彼はまたそのキャラクターから逃れられなくなり、自分を追い詰めていったということにもなるだろう。
ヘイデンクリステンセンの芝居ってうまいんだか下手なんだかイマイチ分からなくて、以前、「海辺の家」を書いた時にも“まだ保留”という表現をしたと思うのだけど、今回もまた“保留”ということにしておきたい。ただ、今回のあやうい役は彼の雰囲気にとてもよく合っていた。
結果的にスティーブンを糾弾し、クビにすることになる編集長のチャックを演じたピーターサースガードはここのところたくさんの作品に出ていてどれもいいが、ワタクシはこの作品での役が今までで一番素晴らしかったと思う。初めは憎まれ役で、イヤな奴かと思いきや実はきちんとした正義感に溢れ、自分たちの雑誌とその記者たちを守る気持ちが大きい編集長。初めは裏でスティーブンを守れるよう手を尽くしてくれたり、スティーブンの嘘がバレていく過程でスティーブンに対しての怒りを静かに表現したり、最後には本人に怒りをぶつけるシーン、何も知らずにスティーブンをかばう同僚クロエセビーニを説得するシーン。どれをとってもピーターサースガードの演技は素晴らしかった。最後に記者たちの信頼を一気に勝ち取ることができるのも納得だ。
映画としても心地いい緊張感が全編を通してあって、スティーブンが捏造記事を作ったんだと知っていながら見ているのにもかかわらず、最後までスリルも味わえるつくりになっていて非常にいい。大きな作品ではないけれど、見る価値は非常に高いと思います。
オマケスティーブングラスってあんなに話を作るのがうまいなら、ジャーナリストじゃなくて小説家になればいいのにと思いながら見ていたら、最後に彼が本を書いたことがテロップに出ていた。それは次々に捏造記事を作る記者の話だそうで、ニュースでは嘘を書いて、小説では本当のことを書いただなんてなんだか不思議な人ですね。
アメリカの有名誌、大統領専用機にも乗っているというのがご自慢の「ニューリパブリック誌」。ここのジャーナリストが記事を捏造していたという一大スキャンダルを映画化した作品。そう聞いただけでめちゃくちゃ面白そうじゃないですか
"Are you mad at me?" 「僕に怒ってる?」
これがこのジャーナリスト、スティーブングラスヘイデンスリステンセンの口グセ。およそ、アメリカ人の大人の男性の口グセとは思えない。彼は同僚や先輩への気配りを忘れず、誰にでも公平に接し非常に他人ウケはいいが、この口グセはちょっと曲者。常に他人に対して自分がどう映っているかを気にしている彼の他人への依存度や頼りなさを的確に表しているように思える。
みなに愛され、次々と面白い記事ネタを見つけてくる才能あるジャーナリスト。あの潤んだ瞳で「僕に怒ってるの?」なんて言われたら、彼の言うことを信じたくもなるし、守ってやりたくもなるのだろう。彼は自分のそういうキャラクターを利用して捏造記事をどんどん書いていった。そのキャラクターを彼は利用したが、彼はまたそのキャラクターから逃れられなくなり、自分を追い詰めていったということにもなるだろう。
ヘイデンクリステンセンの芝居ってうまいんだか下手なんだかイマイチ分からなくて、以前、「海辺の家」を書いた時にも“まだ保留”という表現をしたと思うのだけど、今回もまた“保留”ということにしておきたい。ただ、今回のあやうい役は彼の雰囲気にとてもよく合っていた。
結果的にスティーブンを糾弾し、クビにすることになる編集長のチャックを演じたピーターサースガードはここのところたくさんの作品に出ていてどれもいいが、ワタクシはこの作品での役が今までで一番素晴らしかったと思う。初めは憎まれ役で、イヤな奴かと思いきや実はきちんとした正義感に溢れ、自分たちの雑誌とその記者たちを守る気持ちが大きい編集長。初めは裏でスティーブンを守れるよう手を尽くしてくれたり、スティーブンの嘘がバレていく過程でスティーブンに対しての怒りを静かに表現したり、最後には本人に怒りをぶつけるシーン、何も知らずにスティーブンをかばう同僚クロエセビーニを説得するシーン。どれをとってもピーターサースガードの演技は素晴らしかった。最後に記者たちの信頼を一気に勝ち取ることができるのも納得だ。
映画としても心地いい緊張感が全編を通してあって、スティーブンが捏造記事を作ったんだと知っていながら見ているのにもかかわらず、最後までスリルも味わえるつくりになっていて非常にいい。大きな作品ではないけれど、見る価値は非常に高いと思います。
オマケスティーブングラスってあんなに話を作るのがうまいなら、ジャーナリストじゃなくて小説家になればいいのにと思いながら見ていたら、最後に彼が本を書いたことがテロップに出ていた。それは次々に捏造記事を作る記者の話だそうで、ニュースでは嘘を書いて、小説では本当のことを書いただなんてなんだか不思議な人ですね。
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