太陽と情熱の国スペイン。スペインと聞くとなんだか陽気なイメージを抱く日本人が多いと思う。その国がたった30年前まで独裁政権だったと聞くと「そうだった、そうだった。習ったなぁフランコ将軍」と思いながらもやっぱりなんとなく信じられない。スペインは2度ほど旅行したけど、そのときも恥ずかしながらそんなことはすっかり忘れていた。
そんなスペイン独裁政権時代。政権に反旗を翻すアナーキスト、サルバドールプッチサンティックダニエルブリュールは警官を銃殺した罪で正当な裁判を受けることなく死刑に処される。殺された警官には複数の弾のあとがあったにもかかわらず、きちんとした調査はなされず、サルバドールは処刑にされるのだ。
前半はサルバドールたちの活動を少し軽めのタッチで描いている。まるでアメリカンニューシネマを目指しているふうだ。彼らの活動は、活動家というよりも強盗を楽しむ若者の集団にも見える。その裏にある思想にはあまり触れていないように感じた。
それが、サルバドールが正当な裁判を受けることなく、サルバドールには直接には関係のない反政府組織による首相暗殺の報復、または見せしめとして死刑に処されることが決まり、それが実行されるまでの短い時間に周囲の人間が恩赦を求めて、活動する様子や自分が処刑に処されるのか、それとも恩赦が受けられるのかと待つ後半になるとがらっと雰囲気が変わる。このときのサルバドールの複雑な心境をダニエルブリュールが素晴らしく表現していると思う。ワタクシはいままで彼をドイツ映画でしか見たことがなかったので、ドイツ人だと思っていた。そんな彼がスペイン語を流暢に話していてビックリしたのですが、彼ってスペイン人とドイツ人のハーフで、スペイン語も話せたんですね。
恩赦に最後の望みを託し、残酷なときを過ごすサルバドールの隣の部屋では死刑執行人が着々と準備を整えている。それも、「鉄環絞首刑」というものすごくむごい死刑の準備を。この「鉄環絞首刑」っていうのは、スペイン独自の絞首刑らしいんですが、それがとてもむごいもので、もともとは死刑目的というより拷問したのちに殺すということに使われていたようですね。見ていて寒気がする道具でした。
前半の彼らの活動の説明の部分が思想をベースにしていなかっただけに、ちょっとサルバドールに感情移入するのが難しかった。とは言っても、やはり刻一刻と迫る処刑の執行時間を待つサルバドールとその家族には涙せずにはいられなかったが。そして、初めはサルバドールを毛嫌いしていた看守ヘススレオナルドスバラグリアとの心の交流にも涙が溢れた。サルバドールの話は実話であるが、この看守とのエピソードについてはドラマ的に足されたものなのか、実際にあったことなのかは分からない。ワタクシは実話でも主人公の人となりを表現するために多少の装飾は気にしないことにしている。
多少の難は感じたもののスペイン独裁政権下、サルバドールという若者がいたこと、その死刑を民衆が許さなかったこと。それを知るためだけにでも価値のある作品だったと思う。
オマケこれはバルセロナのあたりのお話で、サルバドールの家族が看守たちにカタルーニャ語ではなくてスペイン語で話すように注意されるシーンが何度か出てきますね。スペイン北部カタルーニャ地方の公用語で、フランコ将軍政権下では禁止されておりました。フランコ将軍失脚後には復権し、現在では積極的に復活させようという動きがあるようで、ワタクシがバルセロナに行ったときも看板などに必ず、スペイン語とカタルーニャ語が併記されているのを見ました。いまは学校でも教えているようですね。
そんなスペイン独裁政権時代。政権に反旗を翻すアナーキスト、サルバドールプッチサンティックダニエルブリュールは警官を銃殺した罪で正当な裁判を受けることなく死刑に処される。殺された警官には複数の弾のあとがあったにもかかわらず、きちんとした調査はなされず、サルバドールは処刑にされるのだ。
前半はサルバドールたちの活動を少し軽めのタッチで描いている。まるでアメリカンニューシネマを目指しているふうだ。彼らの活動は、活動家というよりも強盗を楽しむ若者の集団にも見える。その裏にある思想にはあまり触れていないように感じた。
それが、サルバドールが正当な裁判を受けることなく、サルバドールには直接には関係のない反政府組織による首相暗殺の報復、または見せしめとして死刑に処されることが決まり、それが実行されるまでの短い時間に周囲の人間が恩赦を求めて、活動する様子や自分が処刑に処されるのか、それとも恩赦が受けられるのかと待つ後半になるとがらっと雰囲気が変わる。このときのサルバドールの複雑な心境をダニエルブリュールが素晴らしく表現していると思う。ワタクシはいままで彼をドイツ映画でしか見たことがなかったので、ドイツ人だと思っていた。そんな彼がスペイン語を流暢に話していてビックリしたのですが、彼ってスペイン人とドイツ人のハーフで、スペイン語も話せたんですね。
恩赦に最後の望みを託し、残酷なときを過ごすサルバドールの隣の部屋では死刑執行人が着々と準備を整えている。それも、「鉄環絞首刑」というものすごくむごい死刑の準備を。この「鉄環絞首刑」っていうのは、スペイン独自の絞首刑らしいんですが、それがとてもむごいもので、もともとは死刑目的というより拷問したのちに殺すということに使われていたようですね。見ていて寒気がする道具でした。
前半の彼らの活動の説明の部分が思想をベースにしていなかっただけに、ちょっとサルバドールに感情移入するのが難しかった。とは言っても、やはり刻一刻と迫る処刑の執行時間を待つサルバドールとその家族には涙せずにはいられなかったが。そして、初めはサルバドールを毛嫌いしていた看守ヘススレオナルドスバラグリアとの心の交流にも涙が溢れた。サルバドールの話は実話であるが、この看守とのエピソードについてはドラマ的に足されたものなのか、実際にあったことなのかは分からない。ワタクシは実話でも主人公の人となりを表現するために多少の装飾は気にしないことにしている。
多少の難は感じたもののスペイン独裁政権下、サルバドールという若者がいたこと、その死刑を民衆が許さなかったこと。それを知るためだけにでも価値のある作品だったと思う。
オマケこれはバルセロナのあたりのお話で、サルバドールの家族が看守たちにカタルーニャ語ではなくてスペイン語で話すように注意されるシーンが何度か出てきますね。スペイン北部カタルーニャ地方の公用語で、フランコ将軍政権下では禁止されておりました。フランコ将軍失脚後には復権し、現在では積極的に復活させようという動きがあるようで、ワタクシがバルセロナに行ったときも看板などに必ず、スペイン語とカタルーニャ語が併記されているのを見ました。いまは学校でも教えているようですね。
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