なんだかドキュメンタリー映画のような副題がついていますが、フランスのコメディ映画です。
スランプ気味の老舗レストランのシェフアレクサンドルラガルドジャンレノは次のミシュランで三ツ星を維持しなければクビだとオーナーに宣言され悩んでいる。(ただし映画の中ではっきり「ミシュラン」とは言われない。許可降りなかったのか?)一方天才的な舌を持ちラガルドに憧れて彼のレシピをすべて暗記しているジャッキーボノミカエルユーンはこだわりが強すぎてすぐに料理人の仕事を辞めてしまい、妊娠中の妻ベアトリスラファエルアゴゲが見つけてきたペンキ塗りの仕事をすることになった。
ペンキを塗っている建物の中に老人ホームがあり、そこの料理を作っているコックらと仲良くなるジャッキー。彼らに料理を教えてホームの老人たちにふるまうようになる。ある日、店の元オーナーを訪れたラガルドがその料理を口にし、自分が作ったレシピであることに気付く。これを作ったのは誰だ?とジャッキーを紹介されるラガルド。三ツ星を維持するためにジャッキーをアシスタントにすることにする。
ラガルドとジャッキーは三ツ星を維持するためには元来の料理ではダメで今はやりの分子料理を審査員に食べさせなければと分子料理の発祥の地スペインからコックを呼び寄せ勉強するがことごとく失敗。ライバルの店に偵察に行くが身元がバレてはいけないと、なんと日本人夫婦に変装して行くことに…
この日本人夫婦の扮装が酷すぎてもう怒りを通り越して笑えます。ジャンレノがチョンマゲでミカエルユーンが白塗りの芸者???だかなんだかよく分からない格好。まさかあれが本当の日本人だとダニエルコーエン監督が思っているとも思えないので、あれは“外国人のステレオタイプの日本人のイメージ”っていうのをわざとやってみせただけだと思うんだけどね。それでそんな無茶苦茶な格好のくせにミカエルユーンがやたらと日本語を喋っていてそれもまた笑えます。フランス語なまりがきついんだけど、言ってることはちゃんと日本語なんですよ。ちゃんと誰かに教えてもらったのかな。
途中からジャッキーがペンキ屋を勝手にやめてレストランで(最初)タダ働きしていたことを知って家出してしまったベアトリスを取り戻しに行ったり、家庭を顧みず仕事ばかりしてきたラガルドが大学生の娘サロメステヴナンのために論文発表会に行くと言いだしたりと、話が脱線してしまうのですが、まぁコメディ映画なので仕方ないかな。ベアトリスのところになぜかラガルドも一緒に行って、彼女の実家近くのレストランのオーナーに恋しちゃったりするところも良かったな。
全体的にアメリカ映画と何が違う?と言われると答えられないのだけど、フレンチコメディっぽい。フランス語ってだけでそう感じるのかなぁ。特にミカエルユーン演じるジャッキーがフレンチコメディっぽい雰囲気を醸し出している気がする。最近のアメリカ映画に多いおゲレツ系ではないですね。おゲレツ系もそれはそれで好きなのですが。かる~い気持ちで見られる作品です。ただ料理にもう少しスポットが当たっていたら嬉しかったのだけど。
ジャンレノが堅物でちょっとなんだかどんくさそうなシェフを演じていて、最初は少し違和感があったのですが、だんだんハマってくるのはミカエルユーンとの相性が良かったからなのかなー。
ワタクシは分子料理より昔ながらのフランス料理のほうがいいな。