シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ソウ3

2010-04-07 | シネマ さ行
続けて見ました「ソウ3」
結論から言うと「2」より面白かったです。今回も「2」と同じように、途中ずっと繰り広げられるゲームとは別にジグソウトビンベル独自の視点で組み込まれた別のゲームが存在するわけですが、途中に繰り広げられる(一見メインと思われる)ゲームが「2」のときのようにチープではなく、こちらも十分に見ごたえのあるものとして描かれており、それがもう一つのゲームと巧妙につながっているというところが素晴らしい。

全体的なエグさは「2」よりも増しています。爆弾で飛び散った死体(当然その死体が爆弾で吹っ飛ばされるまでの行程)、「1」からずっとジグソウを追ってきた刑事ケリーディナメイヤーの死に方。これはいままでのジグソウよりも“派手な”エグさを持っています。しかし、このエスカレートしたエグさというものが、単に映画としてシリーズが増えていくにつれ、描写がエスカレートしていったというものではなく、きちんとストーリー上で意味をなすエグさだというところがこの脚本の優秀なところ。

最愛の息子を酔っ払いにひき逃げされたジェフアンガスマクファーデンはジグソウのゲームに強制参加させられる。彼の前には息子の事故を目撃したのに証言してくれなかったダニカデブラリンマッケイブ、犯人に軽い刑を下したハルディン判事バリーフラットマン、そして犯人トロイJ.ラローズがそれぞれ拷問にかけられている。彼らを赦し助けるか、見殺しにするかはジェフの手にゆだねられている。

一方、瀕死のジグソウはアマンダショウニースミスにリンデンロン医師バハースーメクを拉致させ、脳の圧迫を抑える手術をさせようとしている。ジグソウに必要とされているリンデンロン医師にアマンダは嫉妬にも似た憎しみを抱くようになっていく。

このシリーズでは最後の15分くらいできちんと全部タネ明かしをやってくれるんですよね。今回もこの手法です。謎解きが苦手というか、そういうことをあまりしないでストーリーを見てしまうクセのあるワタクシにとっては、このシリーズのやり方がとってもフィットしています。「おおおー、そうやったんやー」と見事に騙されるとすごくカタルシスを感じるんですよねー。この「3」はその要素が今までの中で一番強かったような気がする。これを見るとまた「1」を見たくなるようにできているところもすごい。

まぁ、ジグソウがなんでこの人たちを犠牲者に選ぶのかとか、そもそもジグソウの卑劣なやり方が許せないとかって強く思う人はこの作品の何が面白いのかは全然分からないかもしれませんね。それこそ、"See what I see."でジグソウの自分勝手なロジックだけが成り立っているわけです。そういうところはソフィスティケイティット度は落ちるもののハンニバルレクター博士と共通している部分かもしれません。あと、あのエグさがダメな人は。いや、もちろん誤解されると困りますけど、ワタクシもジグソウには1ミリたりとも共感してませんよ!でも、やっぱり“映画”としてみると脚本がとってもよくできていて楽しめる作品なんですよねー。あー今回もまたジグソウにやられたなと。

オマケ今回アマンダがあのジャンキーメイクをやめて、ナチュラルメイクになっていたので、登場したときキャストが変わったのかと思ってしまいました。