シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

カーズ

2006-06-20 | シネマ か行
エンドクレジットが一番おもしろい、、、

というと、怒られそうですね。「あ~あ、言っちゃったよ」って感じでしょうか?“エンドクレジットもおもしろいから見てね”というのはこのブログでもいつもの「オマケ」コーナーに登場するべきフレーズなんですけど、今回ワタクシが一番笑ったのは本当にエンドクレジットの間だったんですよねー。これまでのピクサーの作品を見ていない人にとってはあんまりおもしろくはないんですけどね。

ピクサーの3Dアニメってどれをとってみても、どれもおもしろいし、キャラクターも物語もしっかりしているから、今回の「カーズ」も当然、及第点なんだけど、「トイストーリー」「モンスターズインク」「ファインディングニモ」あたりと比べるとちょっとパンチ力が落ちるかなといった印象でした。車の擬人化ということで、そこに感情移入するのがちょびっと難しかったというのもあるかもしれません。

2時間2分という上映時間は子どもたちにとってはちょっと退屈するかもしれないな…それでもこの長さで作ってしまうというか、この長さでGOサインを出してもらえるということは考えてみるとすごいことですね。子どもだけが楽しみにしているわけじゃないというのをスタジオもしっかり分かって狙ってるということなんでしょう。アニメーターとしては、これだけの時間を使えることで、レースシーンにかける時間をたっぷり取って、ピクサーの技術力をあますところなく見せることができるというわけなんでしょう。いやー、ほんとにね、煙とか水しぶきとか、飛び散る葉っぱとかこれは実写なんじゃないかと思ってしまうくらいの映像だし、レースシーンはほんとに手に汗握ってしまいそうな雰囲気さえ漂っています。3Dアニメの世界ってどこまで行っちゃうんでしょう。ほんとすごいです。

それから、この辺りがアメリカサブカルチャーに馴染みの薄い方には分かりにくい部分で残念なんですが、この「ルート66」というヤツですね。このルート66というのはシカゴからサンタモニカを結びアメリカをほぼ横断していた国道で、その道路わきではさまざまな文化や街が栄え、テレビドラマ、小説、音楽の題材にもよく取り上げられたりもしたけれど、高速道路が開通し1985年に廃線になった国道です。「ルート66」というのはその言葉を聞くだけで、アメリカ人にとってはとてもノスタルジックな気持ちを起こさせるものであり、この「カーズ」は、その道路とその脇のすたれた街が舞台になっているというわけなのです。その辺りの背景もちょっぴり知っているとより楽しめる作品だと思います。