藪田と小林雅がメジャー移籍した昨年のFA戦線でしたが、今年以降も油断はできません。
思いがけず年初にドラフトの話題に触れたので、勢いでFAネタに突入してみます。
現在の制度は一軍登録145日を1年と換算して、9年で権利を獲得できます。
この9年を国内移籍に限って8年とする方向で調整しているようですが、選手会側が身分不相応に反発しているようですので未決着のままです。
ここでは国内移籍8年、海外移籍9年で考えてみます。
ロッテの選手が今後も順調に一軍登録されると仮定して、各選手が国内FA権を取得する年度は下記の通りです。
2007年終了時点でFA換算年数が1年以上の選手を対象にしています。
【2008年取得】
32歳 橋本将、サブロー
33歳 清水直行、小野晋吾、福浦和也
39歳 堀幸一
40歳 高木晃次
43歳 小宮山悟
【2009年取得】
31歳 小林宏之
34歳 大塚明
【2010年取得】
34歳 渡辺俊介、里崎智也
【2011年取得】
32歳 渡辺正人
36歳 早川大輔
【2012年取得】
28歳 西岡剛
29歳 今江敏晃
32歳 久保康友
【2013年取得】
31歳 大松尚逸
32歳 塀内久雄
34歳 神田義英
【2014年取得】
29歳 成瀬善久
31歳 青野毅
32歳 荻野忠寛、川崎雄介
34歳 竹原直隆
太字は既に権利を取得している選手です。
また選手名の前の年齢はその年度を終えた時点でのもので、当然ですが翌年は1つ年を取ります。
2007年の登録日数は勘で加算しているため、年間を通して1軍にいなかった選手、今江・青野・大松・竹原らは実際より1年早い年度に名前を挙げているかもしれません。
眼前の今年は、これはメンバー的には昨年以上に厳しいです。
橋本は既にFA行使を視野に入れている旨の発言がありましたし、清水・小野・福浦・サブローと全ポジションの有力者が顔を揃えています。
ここを乗り切れば2012年の西岡・今江・久保までは小林宏が控えているぐらいですので、やはり今年が勝負だと思います。
とは言え、実は意外と楽観視しています。
まず橋本、年俸3500万円の選手のFA移籍は非情に困難が伴います。
現行の制度ではFA移籍に伴う保障は旧年俸の1.2倍か0.8倍+プロテクト外選手1名です。
橋本の場合は金銭補償の差が1400万円に過ぎませんので、ほぼ間違いなく人的保障を選択すると思います。
今のFA制度は高年俸選手ほど移籍しやすく、一昨年にオリックスの日高や塩崎が行使した挙げ句にどこからも獲得の声がかからず残留したように、年俸が安い選手は人的保障を選択しやすいために敬遠される傾向にあります。
本来の出番を求めた移籍という趣旨に反する、金持ちがさらに金持ちになるだけの仕組みになっているわけです。
従って橋本の場合も余程のことがない限りは行使しても移籍は難しく、また仮に移籍となってもそれなりの人的保障が得られるのではないかと思います。
もちろんロッテの捕手事情を考えれば残留して欲しいですし、球団もそれなりの待遇で引き留めるでしょうが、万が一であっても被害を最小限にとどめられると考えます。
また小野と福浦は余程ヘマをしない限り、彼らが移籍を求めることはないと考えます。
ともに出番はありますし、見合った年俸を保障すれば移籍する理由が見つかりません。
サブローも前回は表向きは「嫁さんが東京以外に住んだことがない」という理由で残留しただけに、噂される中日への移籍は考えづらいと思います。
他の在京球団でサブローを欲しがる、あるいは獲得する資金力のあるチームは見当たりません。
残るは清水ですが、彼の場合は国内移籍はないでしょう。
あるとすればメジャーへの移籍、読売グループが海外移籍を8年にすることを許すとも思えませんので、清水の移籍があるとすれば来年オフでしょう。
その時であれば世代交代も考えて、34歳の清水を快く送りだしてあげたいと思います。
他のベテラン選手は普通に考えれば移籍などありえず、小宮山が勝手に自爆するならどうぞ、という感じです。
しかしFA、くだらない制度ですね。