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理由あって冬に出る |
そのカバーイラストを見ればどこかライトノベルチック、の先入観どおりに軽いと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、何にせよ本格ミステリーとは一線を画しています。
いわゆる学園ものに謎解きが加わったような青春ストーリーはどこか氷菓シリーズに近いのだと思いますが、こちらの方が軽さを感じるのは作中の会話が理由なのでしょう。
テンポがよく読みやすくはあるのですがやはり軽さと言いますか内容が薄い、その端々に微妙な伏線が敷いてあるのでそれもテクニックなのか、ただ老人にはちょっときついです。
肝心の謎解きもどうなのでしょう、解けはしなかったのですがやられた感よりもそりゃないよ、が実際のところではあります。
読み返してみれば解決の糸口はありましたが偶然に頼りすぎた仕掛けに思えて自分には無理、動機が最後まで読めなかったのもありますしその動機にしても浮き世離れをしていると言いますか自分の世界観ではありえないので思い至らなかった、ことからして諦念といったところでしょう。
また読むときに登場人物を脳内で描くことが多いのですが下の名前が出てこないのと会話が中性的で性別が分からず、探偵役の伊神先輩がどちらか未だに分かっていません。
困ったことにセールのときにシリーズをずらりと購入してしまったのでこのパターンが続くときつい、ただ忘れかけていたプロローグがガツンと最後にきますので筋立てと言いますか構成はしっかりとしていることに期待をして、ポツポツと読み進めていこうと思います。
2018年6月25日 読破 ★★★☆☆(3点)