オリオン村(跡地)

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QED 神器封殺

2016-12-13 00:00:13 | 読書録

QED 神器封殺

講談社

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珍しく前作と登場人物や舞台が繋がっているとのことなので、あまり間を開けずのQEDシリーズです。
その前作ではこれまた珍しく直接的な殺人がなく桑原崇に棚旗奈々の「事件を呼ぶ体質」が改善をしたかと思いきや、今作では冒頭からショッキングな殺人事件が起こります。
事件の背景と、前作では名前だけ出てきた登場人物、引き続きの熊野、そして神器の謎がシンクロしていく、これは前後編と考えればよいのかもしれません。

もちろん毎度のことながら事件やその謎は刺身のつまでしかなく、頭を悩ませるようなトリックや、唸らされるような解決策が示されるわけでもありません。
例によってタタルの蘊蓄を披露するためのネタでしかなく、これは推理小説ではなく教養作品の一種なのでしょう。
ただ困ったことに守備範囲から大きく逸れるためにその蘊蓄が真実なのか、はたまた眉唾なのかが判然とせず、こういった説もある、程度で対するのがよいようにも思います。
天照大神や素戔嗚尊などの神話の世界の神々は伝説ではなく神武東征など古代史を投影したものであると知っただけでも賢くなったような、そんな自己満足に陥ってもいます。
由緒ある神社の位置関係なども興味深く、信心という点では現代よりも数倍に知識が深く、そしてこだわらなければならない必然性があったのでしょう。
意味深なニューキャラクター、タタルのライバルなのか同好の士なのか、御名形史紋なる人物が今後にどう絡んでくるかは分かりませんが、どうやらスピンオフである毒草師シリーズの主人公とのことなので、読むべき範囲が広がったことにもなります。


2016年12月12日 読破 ★★★☆☆(3点)


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