64(ロクヨン) |
D県警シリーズの最新作、とは言っても4年前の、しかし先日にテレビドラマとなり、現在に映画が公開をされている旬な横山秀夫です。
ただやはりこのD県警シリーズ、なぜにシリーズで一括りにされているのかがよく分からず、順番どおりに読んでここに至りましたが予習にもなりませんでした。
辛うじて二渡警視や七尾警部が登場をしましたが重要な役回りながらも脇役でしかなく、似顔絵婦警も出てきませんし、シリーズならではのわくわく感がありません。
あまり意識をせず、むしろ単独で構成をされていると考えた方が入りやすいのではないかと、あまり構える必要のない作品です。
僅かに一週間しなかった昭和64年、自分などは昼まで寝ていて目が覚めたら平成になっていたのですが、その昭和64年に起きた未解決事件に絡んだ人間模様が描かれています。
映画の紹介映像などを見ればその事件を解決していく過程が描かれているようにも受け取れますが、そこは横山秀夫、警察内部の組織が主戦場です。
かなりなボリュームで、しかも骨太、軽い気持ちで読むと飲み込まれてしまいそうな、D県警の広報官である主人公の三上の心の動き、その内面が克明に描かれており、また三上を取り巻く広報室の部下たちの成長物語でもあり、しかし温かく見守れるようなものではありません。
内面を語るだけに独白も多く、原作を読んでの映画鑑賞はハズレが多いので避けるようにしているのですが、この64(ロクヨン)はむしろそのハズレを探るような、これをどうやって映像表現でまとめるかの怖いもの見たさ、そんな複雑な心境だったりもします。
こと小説と考えれば個人的には独白が多すぎでテンポの悪さが足枷となり、また余韻のように見えて実際には放置とも思える展開が今ひとつの七日間の後始末でした。
2016年5月27日 読破 ★★★☆☆(3点)
昭和天皇は実際は年内に崩御されていた、あるいは三が日が過ぎるまで無理矢理に延命措置をとった、なんて噂もあったようですね。
連日、何リットルの輸血、といった報道があったことを記憶しています。
前後編に分かれているので、は同意、こういうのって間が空くのはどうかと思います。
てことで、後編が公開をされたら観に行こうかなと、おそらくは前編と併映すると予想します。
>海猫さん
てことは、まだ耳毛は生えていないですね(笑)
紹介映像での佐藤浩市の台詞は原作どおりですが、一方で三浦友和のそれは原作にはなく、あるいは違ったエッセンスがあるのかも、なんて思ったりもしています。
>頑張ってロッテさん
ドラマは原作を読んでいないのでパス、でもその原作を読んでみれば佐藤浩市よりもピエール瀧ですね、間違いなく(笑)
どうも映画は配役に無理があるような、佐藤浩市と仲村トオルが同期とか・・・
D県警シリーズは仰せのとおりかと、伏線などはおそらく無かったと思います、読み落としがなければ。
先日TBSでのD県警シリーズのドラマも楽しめました。ただ、私には映画に行く動機づけには物足りなさを感じました。
D県警シリーズとなってはおりますが、私にはシリーズを続けて読まないと忘れてしまうぐらいの関係の希薄さです。色々伏線はあったんだろうと思いました。いつか一気に再読します。
昭和64年、自分はまだ小学生でした
映画の64は興味あるのですが、前後編に分かれてるのがちょっと・・・。