万能鑑定士Qの事件簿 V |
万能鑑定士Qこと凜田莉子は、五作目にしてグローバルに活動範囲を広げます。
本物の美術品を自分の目で堪能するためにパリへの旅行を思い立ち、そこで調理師見習いをしているかつての同級生と巡り会い、一人旅を心配して両親が相談の上で旅に同行をした同じくかつての担任教師とともに、同級生が勤めているレストランで発生をした食中毒事件の謎を解き明かします。
その冴え渡る鑑定能力と見事な分析は相変わらずですが、こと対象物の鑑定に留まらず関係者の心、人生にまで踏み込むのが莉子の本領発揮というところなのでしょう。
語学はちょっと違うんじゃないの、との突っ込みを置いておけば、やはり仕上がりは万全です。
かつての落第生のイメージが抜けきらない担任教師、同級生の戸惑いなどは笑えましたし、またさりげなくちょっぴり甘酸っぱい展開となっていきます。
お馴染みの小笠原悠斗はちょい役、葉山警部補は登場をせずと寂しさはありましたが、それでいて次を期待させる心境の変化の描写をするところなどは油断なりません。
エピローグとも言えるルーブル美術館での話が莉子の鑑定能力の素晴らしさを伝えたかったのか、はたまた次に繋がる伏線なのかはまだ分かりませんが、ちょっと横道に逸れようとした自分を引っ張り込んで次に向かわせたことだけは間違いなく、新たなキャラクターが登場をするらしい次巻もあっという間に読んでしまいそうです。
2013年1月18日 読破 ★★★★☆(4点)
仰せのように読後感がいいです。
殺人が無いのもそうですし、犯人が救われないままに終わることがありません。
引き続き、楽しませてもらいます(笑)
>Unknownさん
いろいろな意味で可哀想な人ですね(微笑)
まあ、同情なんてしませんが。
こういうのを書かすと性格が出る。
引き続き、お楽しみ下さい。