幻の翼 |
百舌シリーズの第二弾です。
そう銘打っているのですから主人公はもちろん百舌なのでしょうが、しかしそう簡単な話でもありません。
百舌とは、というそもそもの問題もありますし、その設定にも無理矢理感が否めず、このあたりが評価を下げるところもあるでしょう。
警察内部の腐敗、というテーマもどこか虚ろで、ある意味で主人公でもある倉木警視の華々しい活躍があるわけでもなく、どんよりとした展開が続いていきます。
今回も誰が味方で誰が敵か、というハラハラ感はありましたが、終わってみればやや無常な思いだけが残った感じがあります。
前作のような構成上のトリックがなかったことで一本道で読み進めたのですが、だからと言ってテンポがよかったわけではありません。
簡単に敵の手に落ちてしまう登場人物にイライラ感が募り、ここで一髪逆転!の期待も軽く裏切られて、単なる結果オーライで積み上げてきた積み木を蹴散らしたかのようです。
スーパーヒーローの快刀乱麻、ばかりがよいわけではありませんが、これはさすがにないのではないかと、見るつもりはありませんがこれをどうドラマ化するのかは興味があります。
香川照之の大杉警部補もちょっとイメージが違うような、暴力的な雰囲気のある内野聖陽や伊原剛志がよかった病院での立ち回りでした。
2014年4月9日 読破 ★★★☆☆(3点)