オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
since 2007.4.16
写真など一切の転用、転載を禁止します

念願のヒーロー角中

2012-05-12 23:32:56 | 千葉ロッテ

 

前回に角中がヒーローとなったときには痛恨のバッテリー切れだっただけに、ようやくに念願の角中のお立ち台です。
もう今の角中にとってはヒーローになることなどは珍しくないのかもしれませんが、やはり地元でのヒーローインタビューには格別なものがあります。
いつの間にやら受け答えが普通にできてしまっているのがちょっと寂しくもありますが、この調子で交流戦に突入をしてもらいましょう。

どういう戦略と確信があってのことかは分かりませんが、ソフトバンクの作戦は完全に失敗に終わりました。
一死三塁から早坂とサブローを連続で敬遠をしての勝負は角中で、昨年とは違って今季はむしろ左腕の方が得意ではないかと思えるような.368と得点圏打率が4割を越える打者との勝負はデータ無視の結果であり、逆にロッテとしては一番に期待のできる角中ですのでラッキーだったとしか言いようがありません。
三塁走者が俊足の根元だっただけに早坂のスクイズを警戒したのか、しかしそれであればサブローとの勝負でもよかったわけで、塁を埋めることで守りやすくしたという単純さであれば押し出しを心配することのない森福への絶対的な信頼感の表れだったのでしょう。
そうなればその森福を攻略してのサヨナラ勝ちは今後の戦いを考えても大きな一勝ですし、きっかけを作った根元のスリーベースも完璧でした。
さりげなく根元もさほどは左腕を苦にしていませんし、昨年にほとんどいなかったこの両選手による勝利はルーキーズとともに今季のロッテの象徴となっています。
そろそろマークが厳しくなってくるころに交流戦に入るのはタイミングとしてはいい感じですし、セントラルにもその名前を轟かせてもらいましょう。
初回のレフト前への打球でセカンドを陥れる積極性を忘れなければ、さほど難しいことではないはずです。

延長戦での劇的な勝利ではありましたが西村監督がコメントをしていたように、本来は唐川が抑えきって欲しい試合ではありました。
立ち上がりは例によってボールが高めに浮くなどしてコントロールがばらけ気味で、しかし最後まで完全には修正をしきれませんでしたが8回を2失点ですから責められるほどの内容ではなく、序盤は今ひとつだったスライダーを持ち直しただけでも唐川の進化が見られたと言ってもよいでしょう。
その唐川が立ち直れたのは二回に何でもないセカンドライナーで多村が飛び出してくれたおかげでしたし、五回の無死一塁で送らずに一死になってから送ったのは細川の打撃が信頼をされていないからなのでしょうが助かりましたので、そろそろ拙守拙攻は法定伝染病に指定をされるかもしれません。
そう考えるとやはり八回の失点があまりにもったいなさすぎましたし、松中のゴロを捕球し損ねた悔しさで注意散漫になっていたわけでもないでしょうが、全くの無警戒ではなかったにせよ唐川だけではなく里崎、そして今江もソフトバンクの足攻をすっかりと忘れていたかのようなダブルスチールを決められたことで傷口が広がりました。
そこから内川、ペーニャを連続三振に切って取ったところなどはギアチェンジぶりを見せてくれたものの、松田を歩かせた後の満塁のピンチで小久保をツーナッシングに追い込みながらもあのコースにスライダーではなくストレートを投げたのはどういう選択だったのか、ちょっと聞いてみたい気がします。
そもそも松田をノーツーになったところで歩かせたことも意外でしたし、今日は両チームともに敬遠が一つのポイントになった試合でした。
それでも攝津との投げ合いを先に崩れることなく先発としての責任イニングを全うしたことは唐川にとって自信になるでしょうし、その成長ぶりには目が細くなります。

九回からはリリーフ陣の登場となりましたが、先陣を切ったのは守護神の藪田です。
まだ時間切れまでには1時間ぐらいありましたので長いイニングという意味で小野が出てくると思ったのですが、おそらくは唐川が八回を抑えるという前提で藪田が準備をしていたのでしょうから、同点での終盤では逆の順序でということからしても妥当な継投ではありました。
その藪田は昨日とは違ってどちらかと言えば変化球が中心の組み立てで、これは連投だったことでストレートの球威が落ちていることを考慮しての里崎の判断だったのでしょう。
困ったことに三者凡退で終わってしまったので明日がとてつもなく心配なのですが、そこは藪田が投げなくて済むような展開での白星を願うことにします。
益田は先頭の金子を歩かせるなど2四球でボールが暴れ気味でしたが、ペーニャと小久保をスライダーで翻弄して何とか抑えきりました。
ストレートの伸びがやや落ちていたのが疲れによるものでなければいいのですが、やはり益田も明日はお休みにしてあげたいです。
そして2勝目が転がり込んできた中後の安定ぶりもかなり不気味ですが、強気な表情と少しだけ戻ってきたストレートのスピードが伝家の宝刀であるスライダーを活かしているのでしょうし、オープン戦で荒れ球が話題になったことからそのイメージが残っているであろうセントラルを相手にどういったピッチングを見せてくれるのか、これにはかなり興味があります。

打線は攝津からいきなり井口がホームランと幸先のよい出足でしたが、終わってみれば9回で僅か3安打とまたしてもきりきり舞いをさせられました。
これで今季は3試合で23回2/3を投げて16安打21奪三振9与四死球の防御率が1.90ですから、どうやら田中の代わりに攝津が天敵として立ちふさがりそうです。
ただ攝津からすれば他のチームに比べて四球がやたらに多いなど必ずしも得意にしているわけでもなさそうで、昨年も一番に打たれたのはロッテだったりもします。
その攝津からセンターバックスクリーンに打ち込んだ井口は今日は久しぶりに一塁に全力疾走をしていましたし、これが復活への狼煙であればこれ以上の喜びはありません。
11回で4安打しか打てなかったのではなく4安打で勝てたと思えば少しは気が楽になりますので、明日も難敵の岩嵜ですが藤岡をしっかりとサポートしてもらいましょう。

その他では今日は根元が守備範囲の広がりと球際に強くなったことが今季の大きな進歩だと思えるような好守備を連発して、序盤に不安定だった唐川を助けました。
三塁寄りの打球には目をつぶりたくもなりますが、セカンドベースのあたりであれば安心をして見ていられます。
守備が安定をすれば打撃にも好影響が出てくるでしょうし、そこは自らの位置取りの工夫と今江との連携でカバーをしてもらいましょう。
そして福浦のお疲れ休みで久しぶりにスタメン出場となった大松は守備では唐川との三度目の投内連携を無難にこなしましたが、これは懲りた唐川が異様なぐらいにベースカバーが早かったことが功を奏したものと思われ、しかし何にしても打撃があれでは守備がどうのという以前の問題です。
今の大松の立ち位置であれば見逃しの三振をしている場合ではなく、ここまで孤軍奮闘で期待をしてきましたが年貢の納め時かもしれません。
クリーンアップであればまだしも七番一塁であれば大松でなければならない理由はありませんし、もっぱら守備固めでしか使ってもらえない塀内にチャンスを与えたり、あるいは浦和では守備位置を固定せずにぐるぐると回していますので細谷や高濱、あるいは青松あたりの登竜門にするのもよいでしょう。
そんなことを考えなければならないほどに大松の体たらくに目を覆いたくもなる、そんな情けない三打席でした。
最後になりますが、九回の二死二塁で井口に代走を出した西村監督には今後もそういった起用をしてもらいたいと、心からお願いをします。



  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

ソフトバンク

0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2 8 2

千葉ロッテ

2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1X 3 4

1


◆5月12日(土) 千葉ロッテ-ソフトバンク8回戦(ロッテ6勝1敗1分、14時、QVCマリン、18,801人)
▽勝 中後 16試合2勝
▽敗 森福 17試合1敗2S
▽本塁打 井口3号(攝津)

▽バッテリー
千葉ロッテ 唐川、藪田、益田、中後―里崎
ソフトバンク 攝津、ファルケンボーグ、森福―細川、山崎

 

コメント (36)

たまにはこんな白星もありでしょう

2012-05-12 01:18:09 | 千葉ロッテ

 

1000投球回達成というイベントが無かったらヒーローインタビューは誰になったかに微妙さが漂った試合ではありましたが、これまで好投をしながらも打線の援護が今ひとつで2勝しかしていなかった成瀬ですから、たまにはこんな白星があっても誰も文句は言わないでしょう。
この記録は通過点でしかないとの言葉は心強いですし、是非ともロッテで1500、2000と記録を伸ばしてもらいたいです。
1500投球回はおそらくは球団として14人目になるのでしょうし、2000投球回ともなれば荒巻淳、小野正一、成田文男、村田兆治に次ぐ4人目の快挙となります。
そうなれば名実ともにチームの歴史に名を刻む存在となりますので、末永く千葉で投げ続けてもらいたいです。

そんな成瀬も今日のピッチングは良くなかったと言うよりも悪かったと言うべきで、とにかくスライダーのコントロールがばらつきすぎました。
ストレートも全体的に高めでしたし、ここのところはカモにしているソフトバンクが相手でなければおそらくは厳しかったでしょう。
もう少し内を突けば楽になるのにと思って見てはいましたが、今日の成瀬のボールで内角を要求するのは里崎には酷だったかもしれません。
しかし逆に言えば悪いなりにまとめた6回3失点ですので勝利を義務づけられているエースの立場としては喜ぶべき白星だと、そう前向きに考えることにします。
日本ハムに続いてソフトバンクにも拙守拙攻が伝染をしたのか初回の内川の飛び出しや二回の松田のエラーなど主力にミスが続出をしたのも成瀬が持っていると思えば楽しくなってきますし、とにかく首位に躍り出た原動力がエースであることが誇らしいです。
交流戦でもパシフィックに成瀬あり、というところを見せつけて、久しぶりの優勝とMVPを目指して頑張ってもらいましょう。

その成瀬の六回での交代はスタンドから見ていても妥当な判断で、しかしその継投は自分の思惑とはちょっと違いました。
4点のリードが徐々に追い上げられての1点差でしたので流れを断ちきる意味でも七回は益田で、八回は状況に応じて中後か小野、そして最後を藪田で締めくくるのがベターではないかと思ったのですが、西村監督の選択はいつもの面子での勝利の方程式です。
勝ちパターンを確固たるものにするという意味ではありな選択ですので、これはこれで問題はないでしょう。
中後はまたしてもスライダーの連投という面白みに欠けるピッチングではありましたが無難に抑えましたし、この無難さが中後にとって本当にプラスかどうかは悩ましいところではあるのですが、マウンド上でおろおろするような素振りが見られなくなったことは次のステップに進みつつあるのだと思います。
益田はエラーで出た走者を返してしまいましたが因縁の松田との三度目の勝負に勝ちましたので、これで妙な意識も無くなるでしょう。
そして藪田は例によってピシャリと抑えることができずに劇場が一般化をしてきましたが、三者凡退で終わったら終わったで不気味ですので気にしないことにします。
148キロのストレートは益田が147キロだったのと同じコースでしたので差し引くとしても、球速がやや戻ってきたので復調が近いのかもしれません。

打線は二度目の対戦となった千賀をあっさりと攻略しての4得点は電光石火の如くで素晴らしく、この先制パンチはかなり強烈でした。
勝手に千賀が制球を乱して自滅をしただけではあるのですが、初回の2点目がかなり大きかったです。
守備でもドンピシャのタイミングでダイビングキャッチをするなどキャプテン今江がようやくに乗ってきたようで、4月までの.171が嘘のように5月は.452と打ちまくっています。
そうなれば自然と笑顔が増えてきますし、チームリーダーが元気を取り戻したことでチーム全体に活気が出てきました。
ゴロであれフライであれ追い方にかなりの衰えが見られる福浦も体いっぱいに使った見事な捕球で根元を何度も救いましたし、得点圏打率が.421の角中が放ったタイムリーは結果的に決勝点でしたので貴重どころの騒ぎではなく、これで20安打ですから残りは80本です。
気になるとすれば最初から全力で走らなかったことで三塁でアウトになったサブローの走塁と、あのタイミングで腕を回した佐藤コーチの判断力、七回にそのサブローを代走に変えず、また昨日の事件で工藤の動揺が続いていたからというわけでもないでしょうに角中に守備固めを出さなかったベンチの思惑、といったところでしょう。
それでも二回の無死一二塁で岡田にきっちりとバントの指示を出したことはスタンディングオベーションで、ああいったことがあるからこそ常に得点圏に走者を送ることでバッテリーにプレッシャーを与えるべきだと、そう口を酸っぱくして言ってきたことが報われたような気になっています。

明日は唐川と攝津という最多勝を争う直接対決となりますので、満員のスタンドで応援をしてあげたいです。
チームも首位ですし、唐川の今季の投球内容を考えれば不利は否めませんが息を飲むような投手戦が期待できますので、晴れるようですから是非とも球場に行きましょう。
今日は五回あたりから凍えるような寒さ、とは言い過ぎかもしれませんが、スタンドの寂しさを物語るかのように体が震えましたので、明日はそうはならないよう願っています。
ここまで勝ち越してはいますが今日のソフトバンクの継投を見れば侮れないことは言うまでもありませんので、堅実な野球を楽しみにしています。



  1 2 3 4 5 6 7 8 9

ソフトバンク

0 0 2 0 0 1 0 1 0 4 9 2

千葉ロッテ

2 2 0 0 0 0 2 0 X 6 8

1


◆5月11日(金) 千葉ロッテ-ソフトバンク7回戦(ロッテ5勝1敗1分、18時15分、QVCマリン、12,370人)
▽勝 成瀬 7試合3勝2敗
▽S 藪田 15試合2敗10S
▽敗 千賀 2試合1敗
▽本塁打 内川2号(成瀬)

▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬、中後、益田、藪田―里崎
ソフトバンク 千賀、吉川、嘉弥真、甲藤、金無英―山崎、細川

 

コメント (27)