雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

透きかげとなりしなよ竹手触れなばいきものの窪みも探らせてみむか

2008-09-11 20:43:44 | Weblog


 かぐや姫に。


 この季節、月がうつくしい。



 帝がそばにゆこうとしたら、かぐや姫は「きと影になりぬ」

 ふっと、影のように見えなくなってしまった。


 ……。


 きと影になりぬ。

 これは不思議な、曖昧な古語。

 
 
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秋もまたくちずさむかなYesterday遠澄(とほす)む時間へ思慕がながれる

2008-09-11 18:30:19 | Weblog

 ビートルズ……ひさしぶりに聴いて。

 いくつかの曲は、なんど耳にしても、胸にしたたる。







 
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白ばらを抱くごと静かにひととせは過ぎぬ互(かた)みに藤を愛して

2008-09-11 08:54:34 | Weblog

 昨日は、夫とわたしとの記念日だった。


 夕方、仕事から戻ると、テーブルの上に薔薇の花束と、リボンのかかったちいさなプレゼント。

 CRABTREE&EVELYNのウィステリア(藤)石鹸。


 ぜんぜん予想もしていなかった、この贈り物、びっくりしてしまった。

 
 お祝いの席だけ予約し、それ以上は考えていなかったわたしは、うろたえてしまい、今夜の食事代をわたしがもつことにしたい、と言った。

 「気をつかわなくていいよ」

 夫は頬のはしっこのほうだけ緩め、照れたように笑う。

 「何にも準備してなかったもの、わるいわ」

 「お雪さん、想定内だよ」

 あっさりと言われて、しゅんとする。このひと、おとなになったなあ、と。

 ひとの縁なんて不思議なものだ。このひとと他生のゆかりあって夫婦となり、波風多々の月日を過ごしてきた。

 芯の太い、おだやかな性質の彼に、わたしはどれほどか助けられたろう。


 椿さんとのパートナー関係、微妙なところだろうに、彼は認めてくれた。

 「人生でだいじなこと」と。

 


 わたしはいつまで「雪香」でいられるかなあ、と迷うことたびたび。

 椿さんがわたしに伝えてくれたものを、どんなかたちであれ、生きているかぎり育て続けることが、椿さんとわたしとの芸を通じての絆と思っている。

 わたしが結婚したからといって、それで技芸を手放してしまうとしたら、それこそかえって椿さんの意志を損ねることではないだろうか?

 椿さんが、自分だけのパートナーとして存在するために雪香を育てたのだとしたら、わたしという主体は、どこにあるのだろう?

 わたしは道具ではない。

 
 迷ったり、考え込んだり、よじのぼったり、乗り越えたり、さまざまな曲折のなかから見出されてくるひとそれぞれの人生の時間の堆積を、誰が、どう憶測し、評価できるというのか?

 ……

 わたしの夫については、支障があるといけないので、あまり語れない。

 彼は、男性にしてはめづらかなことに、藤いろや、銀青色、さまざまなグレイの微妙をこのむひと。


 それはわたしにはうれしい。

 彼の選ぶ色彩は、わたしの視覚とは、やや明度がちがうけれど、こういう静かな色味を好いてくれる、そんなささいなことも、縁を結ぶきっかけになるものかもしれない。


 

 

 

 

 
 

 

 





 
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