市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

浴(ゆあ)みするすみれ色翳手に濡れて腰かがめれば月もしたたる

2008-09-24 21:45:35 | Weblog


 夜、一日をおえて。


 ともかく無事に今日もつとめられた。

 日によって、ごくふつうに体調の浮き沈みはあるけれど、それを利用者さんに見せてはならないこと。

 風邪をひいたりしたら、おしごとはできない。

 利用者さんにうつしてしまうといけないから。

 今年の秋冬はどうだろう。


 丈夫に元気でおしごとしたい。

 不摂生できない、というのは、いい循環だ。

 涼しくなって、ごはんがおいしく食べられるようになった。







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惑星は光年隔て散りにけり鬱金地に照り柿みのりゆく

2008-09-24 18:17:59 | Weblog


 牡羊座で、惑星どうしが衝突して砕け散ったと。


 300光年の彼方。


 真空の宇宙空間では爆発する音も聞こえないんだろうか。


 眼の前の金色の柿の実が、ふしぎな気がする。

 

 300年後も、こんなふうに柿の木に実がなっているだろうか?

 そこに、最近砕け散った惑星ふたつの輝きが、降り注ぐんだろう。

 今、その光線が、宇宙空間を走っている、なんて。


 すごいことだ。ちょっとどきどきする。

コメント (4)
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陽だまりの秋さやかなり菊の女人(ひと)の装ふまへに姿うつくし

2008-09-24 08:23:41 | Weblog

 菊に。


 十月に入ると、菊があちこちで目に入る。


 わたしだけの感じ方なのかもしれないが、菊の香りは、和箪笥のなかにしまわれた和服の匂いに似ている。

 藤澤樟脳の匂いが沁みこむ厚手のたとう紙、そうして袷のやわらかものからたちのぼる香り、菊のそれに通う。


 樟脳と絹と、それから箪笥じたいの匂い。

 それに、振袖、留袖、小紋などに多用される華やかな友禅模様の極彩色が連想にあやなされ、わたしの抱く菊花のイメージを重厚なものにしている。

 
 更級日記の作者が、初めて祐子内親王家への宮仕えに参上した秋の一夜、菊襲(きくがさね)の袿(うちき)に装った、と。

 白いきものを三枚、その上に蘇芳いろの濃淡を取り混ぜた八枚がさね、さらに紅の練絹の表着(うわぎ)という正装は、秋の風情そのもの。

 しっとりした彼女の雰囲気によく似合ったことだろう。


 
 街のそこかしこ、さりげなく咲いている野菊群菊、正装する前の、かるい装束の女人のよう。


 


 
 
 
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