雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

髪に巻く魂(たま)は八千草押しひしぎ嵐の海へキャサリンとなる

2008-09-19 19:44:39 | Weblog


 嵐が丘。


 こどものころ、わけもわからず読みふけり、言いようもなく感動した。

 その理由さえわからなかった。


 キャサリンとヒースクリフ。


 ヒースの原野をかけめぐる野生児ふたりの歓喜。


 野原がすきだったこどものころ。

 海とおなじくらいに。


 エミリ・ブロンテ。


 更級日記の作者ではないけれど、人と人とのめぐりあいのように、心揺さぶる本の記憶は、いつまでもいつまでも消えない。


 台風接近。こんな夜は、嵐が丘の冒頭の情景……荒野の嵐を思い出してしまう。

 


 


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夢のあとに彼岸花咲く睫毛ながく向かひし暗(くれ)のいろをたたへて

2008-09-19 08:27:31 | Weblog


 いつも通る道の辺にいつのまにか彼岸花がすうっと咲いていた。


 つぼみの印象がこの花にはない。

 突然、すらりと咲ききった姿であらわれる驚き。



 季節のかわりめに、この暗紅色は、句読点のような鮮やかさ。


 過ぎ去った夏への挽歌のような。















コメント (2)
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