市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

真夜のどこか果実なき海どよめくと聴きゐつ夫は野球帽して

2008-09-26 20:51:12 | Weblog


 お祝いの席からもどる。


 おいしい懐石の食事だった。無花果の天麩羅、うすい揚げごろも、からりとあがり、丁寧にとったおだしのなかに泳いでいた。


 真っ赤な薔薇の花束と、バーバラ・ボニーのCDを贈る。ゆっくりやすらいでくださるといいな、と願って。


 盃三杯くらいのほろ酔い。酔うと、ふだんはしないファッションリングが重い。


 このお店、お料理もインテリアもすてきだから、もしも女友達のどなたかがこちらにいらっしゃるなら、お誘いしたい。


 帰り道、夫と肩をならべて、夜道をゆっくり歩いてきた。

 海は遠い。

 でも、海が見たい。

 秋の渚の音を聴きたい。







 
 
 
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秋野かへり首ひいやりと吹きぬける風ののちにも続く訪問

2008-09-26 13:02:28 | Weblog

 
 昼休み。

 偶然はやめに帰れた。

 午後また一軒へ向かう。


 真っ向に吹きつける季節風が強くて、帰り道、自転車がなかなか進まなかった。


   あきかぜのふきぬけゆくや人の中           


 久保田万太郎さんの句を思い出して。


 

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聖ダミアノ風あららかに秋の海を寄するかたへに夫眠りぬ

2008-09-26 08:17:22 | Weblog


 手帖をひらいたら、今日は殉教者ダミアノ聖人の記念日という。

 
 夜には、ささやかに家族のお祝いの集いがある。


 夫は休日。ベッドで眠っている。昨夜も遅かったから。


 風の音があらい。

 こんな秋風の吹く日、海は昂ぶってざわめき、ふしぎなうつくしさだったことを思い出す。



 もう風鈴をしまわなくては。


 


 


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