お祝いの席からもどる。
おいしい懐石の食事だった。無花果の天麩羅、うすい揚げごろも、からりとあがり、丁寧にとったおだしのなかに泳いでいた。
真っ赤な薔薇の花束と、バーバラ・ボニーのCDを贈る。ゆっくりやすらいでくださるといいな、と願って。
盃三杯くらいのほろ酔い。酔うと、ふだんはしないファッションリングが重い。
このお店、お料理もインテリアもすてきだから、もしも女友達のどなたかがこちらにいらっしゃるなら、お誘いしたい。
帰り道、夫と肩をならべて、夜道をゆっくり歩いてきた。
海は遠い。
でも、海が見たい。
秋の渚の音を聴きたい。