電脳筆写『 心超臨界 』

歴史とは過去の出来事に対して
人々が合意すると決めた解釈のことである
( ナポレオン・ボナパルト )

不都合な真実 歴史編 《 とりわけ酸鼻を極めた「父島事件」――日経新聞 》

2024-08-28 | 04-歴史・文化・社会
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
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BC級戦犯裁判 ◇◇◇ 証言を読む 第1部
 (1) 偽証の責任、末端が負う
 (2) 「命令は絶対」認められず
 (3) 「武勇伝」記事、断罪招く
 (4) 「戦意高揚」の異常心裡
 (5) 無差別爆撃は戦争犯罪


44年8月から45年3月の間、小笠原諸島の父島の陸海軍部隊が「戦意高揚」と称して米軍捕虜数人を軍刀の試し切りなどで殺害し、遺体の一部を食べた事件だ。この裁判では14人が起訴され、首謀者として陸軍の師団長だった立花芳夫中将、的場末男少佐ら5人が絞首刑となった。


◆とりわけ酸鼻を極めた「父島事件」
(4) 「戦意高揚」の異常心裡――父島の捕虜殺害
(「BC級戦犯裁判」09.08.14日経新聞(夕刊))

「この罪、天地に恥ずべし」。1946年10月に行われた米軍グアム裁判第11号事件。担当した伊藤憲郎弁護人は弁護の日々をつづった日誌の表題をこう書いた。BC級戦犯裁判の中でも酸鼻を極めた事件として記憶される「父島事件」である。

44年8月から45年3月の間、小笠原諸島の父島の陸海軍部隊が「戦意高揚」と称して米軍捕虜数人を軍刀の試し切りなどで殺害し、遺体の一部を食べた事件だ。この裁判では14人が起訴され、首謀者として陸軍の師団長だった立花芳夫中将、的場末男少佐ら5人が絞首刑となった。

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伊藤弁護人の日誌には、立花中将らの行状が次々と明らかにされていく公判の様子がつづられている。ある陸軍大尉は、立花中将が「人間の肉を食らうくらいの闘魂がなくてはいけない。この次の空襲で酒の肴(さかな)が空から落ちて来ぬかなあ」と話していたことを証言した。

検察側は「日本は誤れる指導者のため戦いに敗れたが、言語に絶するカニバリズム(人肉食)の無道悪虐も鬼畜部隊長の誘導の下に行われた」と糾弾。弁護側はこうした行為を罰する国際法規はないと抗弁した。しかし、検察側は「名誉ある埋葬を妨げた」という理由で裁きを求めた。

事実関係で争う余地はほとんどなく、弁護側の劣勢は否めなかったが、敵国の常軌を逸した犯罪に対し、米国人弁護士は熱心な弁護を行った。伊藤弁護人は「恩讐(おんしゅう)を超えた職務熱心」と感謝しながらも、「日本人弁護士の私もさすがに同胞として恥ずかしき限りの犯罪」と記している。

ある海軍軍医少佐は「当時の将兵の士気は極めて旺盛だったが、敵兵の肉を食うというがごとき気持ちの者は一名もなかった。私はこれは異常なる精神状態の所有者によって行われたと観察する。常識ある正常なる健全なる日本人として、かかる残虐なる野蛮行為は到底考えられぬ」と述べている。

陸軍大尉の一人は「捕虜殺害は師団長、的場少佐の命令で拒絶するわけにはいかなかった」と、事件はこの2人に責任があると主張している。

同事件で禁固刑の判決を受け、後に釈放された海軍中尉は「終戦後、捕虜殺害の件は、陸軍側から海軍側にだまっておってくれと申し入れがあった。海軍側は責任は持てないと答えたところ、それでは海軍の司令部も事件に引き込めという態度に出た」と軍内の醜態を暴露している。

海軍軍医大尉は「現在の心境ではとてもあのような行為はできないが、当時は戦争という特殊な環境の下で行われたことであり、悪いことをしたとは思っていなかった。戦争というものが、いかに人間の心理状態を異常にするかをしみじみと感じさせられた」と述懐している。
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