電脳筆写『 心超臨界 』

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それは聞くことを身につけること
( クリストファー・モーレー )

人生を創る言葉 《 商人が商人として立派になろうとするには――新渡戸稲造 》

2024-10-08 | 03-自己・信念・努力
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◆商人が商人として立派になろうとするには、人として
 立派なことをすることを世渡りの方針にしなければいけない


『人生を創る言葉』
( 渡部昇一、致知出版社 (2005/2/3)、p245 )
第7章 お金とのつき合い方――それぞれの金銭学

[ 新渡戸稲造 ]
教育者、農政学者。岩手出身。キリスト教徒の立場で国際親善に尽
力。東京女子大初代学長を務めるなど、教育者として活躍した。
(1862~1933)

新渡戸稲造(にとべいなぞう)の『修養』の中に出てくる話である。

新渡戸稲造が人を使っているころ、お金を与えるとすぐに使ってしまい、いつも貧乏をしていて、破廉恥(はれんち)罪を犯さなければいいがと心配するぐらい、金を浪費する人がいた。間接的に忠告しても「今の月給では貯めたところで知れている」「もう少しもらわなければ貯金する余地がない」などと嘯(うそぶ)く。

しかし、そういう人に月給を増やしてやっても、ますます使うだけであって、今まで2円の料理で済んでいたのが、今度は3円のものを食うようになる。すると、月20円ぐらいの借金だったのが、給料を上げると50円ぐらいの借金に増えてしまうかもしれない。だから結局、給料を上げないほうがいいと思うようになる、と新渡戸はいう。

それに反して、給料はわずかでも、貯金をするとか、親に送るとかする男は、金を生産的に使うから必ず雇い主の好意を得て、長い目で見れば地位が上がり、それとともに給料も上がるようになる。

こういう風に、真面目に自分の職業を勤める人は、たいがい自分の職業以上の思想を養うようになるものである。つまり、単にそのときだけの職業で終わるのではなく、その上のところに高い目標を置くようになる。職業以上の高いところに目標を置かない人は、余裕が乏しくなるように思われる。

だから、商人が商人として立派になろうとするには、一歩進んで人として立派なことをすることを世渡りの方針にしなければいけない。

商業と道徳は相容れないものなのだと考えてはいけない。人として立派になるように努力する姿勢が仕事上の成果を導く。商業と道徳は深くつながっているものである。これは洋の東西を問わず、仕事で成功しようと考える人にとっての真理であるといっていいようである。
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