電脳筆写『 心超臨界 』

自ら幸せであることを選ぶかぎり
何ごともそれを止めることはできない
( ソルジェニツイン )

生きるための杖ことば 《 無寒暑――松原泰道 》

2024-11-08 | 03-自己・信念・努力
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「寒いと思う心は寒さで殺せ、暑いと歎く心は暑さで殺せ」が、洞山の最後の答えだ。洞山だって、夏は暑く冬は寒いに決まっている。それは現代人の私たちだって、同じだ。しかし、私たちが好きでスキーや野球に熱中しているときは、寒暑が苦にならないのはどうしたわけだろう。


◆無寒暑(むかんじょ)――碧眼録

『生きるための杖ことば』
( 松原泰道、全国青少年教化協議会 (2001/04)、p48 )

洞山(とうざん)禅師(中国の高僧、869年没)に修行僧が問う。

「寒いとき、暑いとき、どうしたらその苦悩から脱し、心身がやすらげるでしょうか」と。

洞山は、事もなげに答える。

「寒いも暑いも無い処へ行ったらいいだろう」

問者はこの答えに、もちろん不満だ。

「そんな結構な処がありますか」

「寒いと思う心は寒さで殺せ、暑いと歎く心は暑さで殺せ」が、洞山の最後の答えだ。洞山だって、夏は暑く冬は寒いに決まっている。それは現代人の私たちだって、同じだ。しかし、私たちが好きでスキーや野球に熱中しているときは、寒暑が苦にならないのはどうしたわけだろう。

洞山の言う「殺せ」は、事実の否定ではなく、寒暑の概念を昇華せよとの示唆であり、寒暑に執着する観念を解けとの教えだ。寒暑をごまかすな、そこから逃げるな、向かっていけ――と。禅者はただ一言「成りきれ(そのものに溶けこめ)」と言う。

避暑(寒)も逃避行だ。冷暖房施設を積極的対策のように考えるが、穴の中にもぐっている退嬰(たいえい)生活に変わらぬ。

私は、ある夏の暑い日タクシーに乗ったが、冷房が入っていない。運転手に言うと、「たってのご希望ならクーラーを入れますがね、自然が夏をつくって人間を健康にしようとしているのを誤解していませんか」と、みごと私は運転手さんから一本とられた。

自然を改変するのを進歩とする人間の傲慢さに、そろそろ気づく必要がありはしないか。新しい生き方にめざめる時代だと思う。寒暑は自然の現象だけでない。私たちの人生も、血の涙や汗を流し、心も凍る夏冬がある。“人生の無寒暑”をどこに求めたらいいのか。この章をはじめから読んでほしい。
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