電脳筆写『 心超臨界 』

歴史とは過去の出来事に対して
人々が合意して決めた解釈のことである
( ナポレオン・ボナパルト )

人間通 《 個人差――谷沢永一 》

2024-06-24 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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持って生まれた容貌が変更できない宿命である如(ごと)く、絶倫と好色も恐らく遺伝子の所産であろう。この否定し難い現実を人間世界の常態として認める寛容にまで、文明がまだ到達していないのは嘆かわしい。民法と刑法に抵触しない限り、食べ物を貪(むさぼ)る大食漢が単に大喰らいである故(ゆえ)を以(もっ)て非難されない如く、性の大食漢もまた弾劾(だんがい)される謂(い)われはなかろう。


◆個人差

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p59 )

若き日の山本周五郎は五幕の喜劇を書こうとしていた。それは共産主義のドグマに挑んだ主題で、最小限度にでも頭脳と胃袋と生殖器の能力が均一でなければ、公平なる分配はあり得ない。との判断を主題とする構想であった。人間においては生殖器の能力が均一ではないのだとの主張は非常に重大な提唱である。現実の問題として人間の容貌(ようぼう)も体力も智力(ちりょく)も食慾(しょくよく)も人それぞれによって幾段階にも相違する。ここまでの事実は誰でも完全に容認する。それだのに性慾の甚(はなは)だしい個人差だけは決して素直に認めようとしない。この思えば不思議な拘(こだ)わりが人間世界に無限の紛擾(ふんじょう=トラブル)を巻きおこしている。しかし誰も否定できない事実として、第一に、人並み外れて性行為の回数を重ねなければ身体が持たない絶倫型がある。第二に、数多くの異性を相手に性行為の遍歴を重ねなければ気が済まない好色型がある。これらの人びとが法を侵さぬ範囲で思いを遂げるのが罪であろうか。

持って生まれた容貌が変更できない宿命である如(ごと)く、絶倫と好色も恐らく遺伝子の所産であろう。この否定し難い現実を人間世界の常態として認める寛容にまで、文明がまだ到達していないのは嘆かわしい。民法と刑法に抵触しない限り、食べ物を貪(むさぼ)る大食漢が単に大喰らいである故(ゆえ)を以(もっ)て非難されない如く、性の大食漢もまた弾劾(だんがい)される謂(い)われはなかろう。一夫一婦制は外に代替案がないため存続している建て前であり、また普通人にとって安住し得る便宜な城である。不倫は人類史を縦に貫く常例である。性の問題を口実に人を叩(たた)き落す嫉妬心(しっとしん)ほど醜いものはない。
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