この本を読んで、私はアメリカという国の本質がわかったような気がしました。だからこそマッカーサーは、自分をフィリピンから追い出した本間雅晴陸軍中将を銃殺し、最後まで食料も弾薬も、補給もないところで戦い続けた山下奉文(ともゆき)陸軍大将を絞首刑にし、しかもイギリスのパーシバル(山本将軍がシンガポールを陥落させたときの敵将)をそこに呼んで立ち会わせているのです。 . . . 本文を読む
塩野さんの文章は、もしも亀井勝一郎が生きていたならば、これこそ歴史だといったであろう書き方なのです。人間に対する興味が強烈です。そして文章が読みやすい。学者の文章ではなくて、ストーリーなのです。物語とは、英語ではストーリーといいますが、これはラテン語のヒストリア(史書)が縮まったものですから、人間に対する関心で書かれているところが、非常におもしろいわけです。 . . . 本文を読む