植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

ハプスブルクの宝剣

2006年09月24日 21時38分21秒 | 国:ドイツ・オーストリア
植民地戦争にもってこいの小説を発見しました。
藤本ひとみ著の「ハプスブルクの宝剣」で、オーストリアの継承者となったマリア・テレジアと、その夫となったフランツに仕えるユダヤ人エリヤーフーの物語です。1730年頃からの約20年間で、ポーランド継承戦争から、オーストリア継承戦争が舞台となっています。
また、別に書きたいと思いますが、オーストリア継承戦争は、オーストリアが四方八方敵の中で奇跡的にしのぐことが出来た戦争で、その奇跡をエリヤーフーが起こして行くストーリーです。
激動する欧州史の中で、ユダヤ人であるが為に差別されるエリヤーフーと、愛すべき夫が居ながらも、エリヤーフーに心奪われてしまうマリア・テレジアの葛藤が描かれており、読みごたえたっぷりでした。

是非、この手の歴史小説が好きな方は入手してみては如何でしょうか?
私は、下巻をBookOffで100円で購入し、上巻をAmazon.co.jpで1円(送料340円)で入手しました。

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皇位の女系継承

2006年09月10日 10時42分54秒 | 雑談
今日の話題は、日本では紀子様が男子を産んだことで立ち消えになりそうな皇位継承問題についてです。
中世ヨーロッパでは、サリカ法典と言うフランク王国時代に作られた法典に、女性に領土の継承を認めない条文があったことを理由に女系継承を否定した王国が多くありました。
オーストリア・ハプスブルク家がマリア・テレジアに領土を継承させるときにも、このサリカ法典に従っていた為、これを解消する際、他国の干渉を受けオーストリア継承戦争を引き起こします。
もともとは、フランス・カペー朝の第14代国王フィリップ5世が、先々代の王の直系の娘に王位を渡したくなく、自らが即位するためにこれを取り上げたところ、これが継承のルールとなってしまい、以来フランスでは女系継承を認めなくなります。
これがドイツにも取り入られドイツ系の諸侯でも女系継承が否定され続けます。

しかし、現在では多くの王国では女系継承を認めており、唯一リヒテンシュタイン侯国のみが男子のみに継承権を与えています。(以下現存する欧州の王国)
 英国
 オランダ
 ベルギー
 デンマーク
 ノルウェー
 スウェーデン
 スペイン
 ルクセンブルク
 モナコ
 アンドラ※
 リヒテンシュタイン


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勝率集計

2006年09月06日 19時04分40秒 | ゲームシステム
カードゲームは、今までテストプレイも含めて、今年24回遊んでいるのですが、面白そうなのでその24回を国別に勝率とゲーム終了時のポイント平均を集計してみました。(画像参照)

まず、最弱と言っていいイタリアが勝率ではトップです。
続く、ポルトガル・日本などの弱小国も、それなりに勝っています。
これは、恐らくこれらの国は弱いので、比較的強いプレイヤーさんが遊ばれる機会が多いのと、弱いからこそゲーム中にマークされにくいのではと考えます。
それを示すとおり、イタリアの1ゲームに取得したポイントの平均は、20を割り込んでいます。つまり、低いポイントでトップを取っている訳です。

逆は、スペイン・ロシア、ポイント平均は高いのに勝利に繋げることが出来ないでいます。

英国・ドイツなど総生産が高い国は比較的勝率が高い結果が出ています。

これを踏まえて遊ぶと、今度はオスマンなど勝っていない国で勝とうとするプレイヤーも出てくるんだろうな~っと、製作者としてはまた違った戦いが見れて面白そうです。

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モンゴル「斜陽万里」

2006年09月03日 22時33分38秒 | 雑談
最近、本を読んでいます。このカードゲームを作り出してから、歴史をネットで調べていくうちに歴史に興味が沸き、ちょうど知り合いからモンゴルの歴史「斜陽万里」(陳舜臣:著)を借りる機会があり、全4巻読破しました。

いや~、今まで謎だったウズベキスタンなどの中央アジアの国々がモンゴロイドでイスラム教と言う民族が出来上がった経緯がよく判りました。

この中央アジアは、ソ連崩壊まではソ連と言う括りで見てしまいがちの為、どうしても白人でロシア正教(キリスト教)と言う先入観があったのですが、18・19世紀にロシア帝国に制圧されるまでは、モンゴル系のイスラム教国だった訳です。

本の内容は、チンギスハーンから元のフビライまでの皇帝にスポットを当てて、モンゴルが各地へ進軍し、領土を広げていく様がかかれております。フビライ後から元滅亡(北への逃亡)については駆け足になっております。
皇帝を主人公にした小説と歴史書の中間的な書き方といった感じでしょうか…。物語としては出来事が時系列に出てこなかったり、登場人物の説明が不足していたりと、読みにくいかもしれませんが、歴史書としては小説風なので読みやすく、モンゴル史を理解する上で良い作品では思いました。


またいづれ、このプログでのモンゴルの歴史についての説明もいづれしていきたいと思います。

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三枚舌外交

2006年09月02日 10時35分55秒 | 国:英国
前回に引き続き、イスラエル・レバノン情勢に関連して、今回はイスラエル建国に大いに絡んだ英国の三枚舌外交についてです。

時は、第一次大戦の最中。当時史上空前の戦争をドイツ・オーストリア・オスマンと行っていた英国は、戦争を有利に運ぶべく、以下の矛盾した3つの約束を行います。

①フランス・ロシアと、戦争後にオスマン帝国の領地を分割統治する約束(サイクス・ピコ協定)

②アラブ諸国にオスマン帝国からの独立を約束(フサイン=マクマホン協定)

③ユダヤ人にユダヤ教国家の建設の支援(バルフォア宣言)

これにより、フランス・ロシアとの同盟関係を強め、またオスマン帝国からのアラブの離反を誘い、そして当時ドイツ国内にも多かったユダヤ人からの経済支援を取り付け、英国は第一次大戦を勝利します。
これによってオスマン帝国は、現トルコの領土を除いて英国とフランスに委任統治されることになります。
※ロシアはロシア革命により参加できず、これが上記の外交が後のソビエトから明るみに出ることになります。

委任統治とは、英国やフランスがアラブ諸国を植民地として採取するのではなく、自国の自治州の様に自治を認めながら統治し、支援を行っていくものでしたが、その実体は植民地と変らなかった為、反発を招き、第二次大戦後には独立されてしまうことになります。
そして最後に残ったのが、ユダヤ人国家の建国問題です。ユダヤ人は第一次大戦後から、パレスチナに帰還(入植)を始めこの地域に住みだしますが、アラブ人との間に衝突を起こし、テロによる虐殺を受けます。第二次大戦後、70万人ものユダヤ人が入植すると、テロは一段と過激になると、1948年ユダヤ人は強引にイスラエルを建国すると、アラブ諸国との間に第一次中東戦争が勃発します。以来、イスラエルは4次に渡る戦争と度重なるテロを潜り抜け、現在もパレスチナの地に入植し続けています。

経緯から見ると英国の三枚舌外交が引き金になっているように感じますが、当の英国は被害無し。ある意味素晴らしい(嫌味で)外交だったのかもしれません。

このゲームでも外交、特に同盟によって喜ぶことや苦しむことが多々あります。特に、3カ国相手に同盟を結んだ(結ばされた)場合、対戦できる国が居なくなり手詰まりになることが多々あります。
この様なあちらこちらにいい顔をして、同盟関係を結ぶことを「三枚舌外交」と称するのもいいかもしれません。

【名言】三枚舌外交
 同盟を3カ国と結ぶなどあちこちにいい顔をすること。


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