植民地戦争+α

歴史テーマの中量級のボードゲームを制作し、ゲームマーケットに出展しています。
なので歴史とボドゲの話が多いです。

<ゲームレビュー> 箱庭の動物たち

2017年08月15日 22時09分30秒 | ゲームシステム
外観はまったく、アグリコラ 牧場の動物たち(2人用アグリコラ)です。
正方形の牧場カードを自宅の近隣に配置して牧場を作り、そこで羊・豚・牛を繁殖させ、もっとも動物の数を増やしたプレイヤーが勝ちと言うゲームです。

システムは、ワーカプレイスメントのアグリコラ 牧場の動物たちをタイル配置にしたものです。
デザインや、各種効果のある建物の名称もまんまアグリコラ 牧場の動物たちからの転用なので、アグリコラ 牧場の動物たちを遊んだことのある人ならかなりなじめます。

アグリコラ 牧場の動物たちが運の要素の無いガチなワーカープレイスメントで、常に何手も先を読みながら、その手で良かったのかを後悔しながら8ラウンドを行いますが、このゲームは、システムをタイル配置にしていますので、どんな牧場カードが場に出るか? と言う運に左右される為、アグリコラ 牧場の動物たちほど先読みはしなくて良くなっています。

うちで、アグリコラ 牧場の動物たちを遊ぶと、表示30分ですが、1時間は掛かってしまい、結構へとへとになります。
箱庭の動物たちを遊んでみると、表示どおり30分ですので、気軽に遊べ、また自分の牧場を作ったと言う満足感も十分に味わえます。

タイル配置の仕組みは、3人の場合は新しいカード3枚と、建物を建てる際にコストとして使用する木材獲得カードが1枚と、前のターンの残りが1枚出ています。
この中から、1・2・3の強さが書かれた手札を1枚出して、プレイヤー間の優先順位を決めて、その順に獲得していきます。
これを3回(1・2・3のカードをどの順に出すかと言うこと)、×8ラウンド行うのが、システムの肝になっています。

(説明書には2人用のことは書いていないのですが、2人の場合は前回のカードを2枚捨てて調整します。)

もう、1つはアグリコラ 牧場の動物たちのまんまの繁殖ルール。各動物は牧場エリアに2匹以上居ると毎ラウンド1匹自動的に増えます。ですのでなるべく早いターンに2匹以上のエリアを作るのがコツになりますが、牧場エリアが狭いと飼える限界が小さいのですぐにいっぱいになります。いっぱいにならないギリギリの大きさまで、牧場エリアを広く取らないといけないのですが、広げるのに貴重なラウンド数を使ってよいのかが悩みどころになります。

ここら辺がこのゲームの面白さです。

あと幾つか気になる点です。

○牧場カードが角丸じゃない普通のカードで、タイルじゃない
 これはコストの都合だと思いますが、タイル配置なのにタイルじゃなく
 カードになっているのが、獲得・配置する際に遊びづらくしています。
 しかし、これは同人でコストがあるので仕方ない!
 同じ、製作者として言わせていただければ、買う側としては
 「システムは良いのにコンポーネントが悪い」と言われがちなのですが、
 コンポーネントを良くして、値段を高くしたら買われたのか?
 と言うジレンマがあります。
 買われなかったら、システムの良さも知られること無く、
 埋没しますので、例えコンポーネントが悪いと言われても、
 3000円の価格設定をする為には良い判断だったと思います。

○デザインがまんまアグリコラ
 これは勝手な想像ですが、製作者はアグリコラの牧場つくりが
 好きだけど、ワーカープレイスメントは換えたい!
 と言う思いから製作をスタートさせたのでは?
 なんで、ワザとアグリコラ感を残したんだと思います。
 繁殖ルールも同じだったりするので、アグリコラを遊んだことの
 ある人にとっては馴染み易く判りやすいです。
 デザインの酷似を嫌うか嫌わないかは好みが分かれるところでしょうか?

○追加の建物欲しくなる
 デフォルトで、特殊な建物が幾つか入っていますが、
 手に入れたからといってゲーム性が大きく変化するのは、
 放牧場ぐらい? これもコストの価値があるかはまだ使っていないので不明。
 是非とも、アグリコラの「牧場にもっと建物を」みたいに、
 ゲーム性が変化する建物が欲しいところです。
 特に、今の得点計算だと動物は3種類作るよりも、1種類に
 絞った方が良いので、ここを覆す3種類あると得点になる
 建物が欲しいところです。

以上、勝手なレビューでした。
相手との絡みは、カード獲得時だけなので、ソリティア感が
強く、2人でも3人でも同じように遊べます。

追記
 私のところの次作「神倭のくに」もアグリコラをベースにしています。
 
 方向性が真逆で、私の方はガチなワーカープレイスメントを、
 何とかしたいと言う想いに対して、ダイスを振ることで
 ガチさを緩めるダイスワーカープレイスメントを採用しました。
 テーマも、牧場造りを一新し、神様が地上を作る日本神話の国造りにしました。
 (おそらく)同じところからスタートして、違ったゲームが
 作られたことは、大変興味深いと思いました。

 是非、こちらもよろしくお願いいたします。
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東京ボードゲームコレクションに考えどころがあるゲームを求めるのは間違っているのだろうか?

2017年08月13日 21時27分38秒 | ゲームシステム
今日、浅草で行われていました、「東京ボードゲームコレクション2017」に行ってきました。

昨年行われた東京ボードゲームコレクション2016には出展側で参加していたので、
お客側として行くのは結構新鮮です♪

しかも、今回はボードゲーマーの友人と、弟と一緒なので、話題が合いやすいし、
試卓で遊ぶ際も気軽に仲間内で参加できます。


場所は、昔、ゲームマーケットが開催されていたところなので、懐かしさがあります。


朝10時30分時点の混雑具合はこんな感じ。結構人がいるようですが、この時点では試遊卓は
結構開いていましたし、空間にゆとりもあり、混んでいたのは一部の注目サークルさんだけかも。

まずは、知り合いのブースにお邪魔して挨拶したり、お目当ての作品を買います。

(父親が山好きなので、ネタで山のカードゲーム)

その後、試遊卓に入って、4作品ぐらい立て続けで遊びます。
いづれも簡単な作品ばかりだったので、そんなに時間がかからずに終わります。

その後、昼頃まで、物色をしたり、遊んでいるお客さんを見て、ルールを把握したり、
係りの人にゲーム感を聞いたりします。

しかし、本当にパーティーゲームや初心者向けゲームが多いこと多いこと。
30分も掛からないゲームばかりで、要求されるのもスピードや一瞬の判断力や、センスを求められるゲームが多く、
考えどころがしっかりしたジレンマに陥るようなゲームがとても少なく感じました。

私だけでなく、一緒に来た知り合いもネットで海外からボードゲームを直接買うほどのゲーマーですので、
彼の気持ちにもヒットする作品はなく、そんな彼曰く
「この会場にわざわざ足を運んでいる人は、ボードゲーム初見者ではなく、ある程度以上遊んだことがある人が
 大半だと思うんだから、製作側ももっとゲーマー向けにすれば良いのに」
とボヤいていました。(-_-;)


(遊んだ中では、唯一オインクさんの海底探検が、チキンゲームとしてよく練られていると感心。これは買っても良いかも)


その後、フリースペースで、せっかく買った「箱庭の動物たち」をその場でプレイ!
たまたま見かけてくれた通りすがった製作者がルールを補足してくれると言うハプニングもありましたが、
このゲームはしっかりとした考えどころがあり、面白い!
アグリコラの様に箱庭を作る感覚も味わえて楽しいです。こちらは久々のヒットですので、後日個別レビューでも書こうかな。
(ちなみに知り合いが遊んだ後に、同じく気に入って、即購入でしたぁ。)


その後、遅めの昼食を取って早めの帰宅。
1つでも気に入ったゲームを見つけてそれはそれで良かったし、楽しめた一日でした。

と言うことで、本日の戦利品は、「箱庭の動物たち」「ゲーマー妻のユーウツ(本)」
「日本60名山カードゲーム(山好き父へのプレゼント用)」(←なので画像なし)


ちなみにゲーマー妻のユーウツは、うちも奥さんをゲームに巻き込んでいる状態ですが、
同じような状態の他の家庭はどの様な状態なのかが知りたくて・・・と出歯亀で買いましたぁ。
チラ見しかしていませんが、面白いです。特にその時の夫婦のコメントが入っているのが、
私の実生活への参考になりそうです。(教訓的な意味とか・・・)

さて、次は10月1日に浅草橋で開催される「ボードゲームオータムフェスタ」になります。
こちらは出展側として、新作「神倭のくに」を初出し予定になっております。


システムはダイスワーカープレイスメントで、30分前後で遊べる考えどころのあるものにしたつもりです。
よろしくお願いいたします。
コメント (2)
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