ちょいスピでセラピー的なKizukiの日々

色んな世の中の出来事、セラピーなどから気付きを得て、ありのままの自分に還ることを目指して生きてます。

中居くんのカウンセラー的資質

2016-05-17 09:04:54 | コンサルテーション

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今更、かもしれませんがベッキーの復帰番組のことで書きたくなりました。
たまたまベッキーが復帰した「金スマ」、見てたんですね。
私は「これを見よう」と目的をもってテレビの前に座ることはまずないんですが、なんとなくつけてみたときにはたいてい料理とか食べ歩きとかのシーンがあるとそこで止まっちゃうんです。
このときも「あ、山里で1人農業をしているっていう人が料理してる」と思って見ていました。
いっぱいダーリンや私の好きな山菜も出てきました。
そうしたらそのうちベッキーが出てきたので、「あぁそうか、ベッキーの復帰番組ってこれだったんだな」と思いました。



で、たまたま生で中居くんとベッキーの対談のシーンもそのまま見たわけです。
今、世間では中居くんの「聞き上手」に称賛が集まっていますが、私もそれについては諸手をあげてその通りだ、と言わざるを得ません。
クライアントの話を聞く立場にある者としてすごく勉強になりました。
生で見たからその細かなニュアンスまですごくよく伝わってきたんです。
私が中居くん、すごい!と思ったのは次の2点。
まず1点目。
中居くん「もう、好きじゃない?」
ベッキー「ハイ、好きじゃないです。」
中居くん「好きじゃないです、か。」
このあと、ベッキーは「ていうか・・」みたいな感じで、どーっと自分の気持ちを話し始めました。
心理学的手法として相手の話を聞くとき、オウムのようにただ相手の言葉をリピートするだけでも相手はどんどん話してくれて話は続いて行くから、ということはよく言われることです。
ふつーの友人との会話でも例えばこんな具合。
A「わたし、ちょっと風邪引いちゃったみたいで。」
B「あ~、風邪引いちゃったんだ~」
A「そうなのよ。最近天候が不安定だったからかなぁ。」
B「天候、確かに不安定だったもんねぇ。」
A「暑かったり寒かったりしたら体調もくずすわ。」
B「体調崩しがちになるねぇ。」
A「でも、その程度で崩すってことは免疫力が落ちてるのかなぁとも思ったり。」
B「ハイハイ、免疫力の問題もあるかもねぇ。」
A「あ~、年ってとりたくないものよね。」
B「ホントよねぇ。」
これ、Bの人はAの発言をそのまま受けているだけでなぁ~んにも新たな情報を会話に持ち込んではいませんね。
けれども、Aはどんどん話を先に進めてる。風邪引いたのは最近天候が不安定だったからに加えて、年齢のせいで免疫力が落ちているのかなぁとも思う、というように。
Bのただの相槌、リピート発言によって自分の言ったことを再度確認するような形となり、そういえばね、と新たなことも話したくなってくる、ってわけです。



中居くんとベッキーの会話の場合、最初に「もう、好きじゃない?」と聞かれて、「ハイ、好きじゃないです。」と答えたなかにはいろんな気持ちが含まれていたに違いありません。
それは見ていた視聴者にもわかったことでしょう。
自分がもしベッキーであってもここは視聴者に対しては「もう好きではない」という決意を答えるしかない、とか、感情と頭で考えることの間にはまだまだギャップがある部分もあるけれども一生懸命、好きではない、と自分に言い聞かせているところなんだなぁ、とか。
でも、視聴者としてはそれをベッキー自身の口から聞きたい。
それを中居くんのリピート、「好きじゃないです、か。」という言葉が引き出したわけです。
実際そのあとベッキーは「そう思おうと思っていた頭に後から心が追い付いた感じです。」とかいうようなことを話していましたから。
中居君の「好きじゃないです、か。」のその短い「か」の中にベッキーは、「好きじゃないです、ってキミは言ったけどそれは本心なのかな?」とか、「好きじゃないです、って言葉が浮いて聞こえるよ。」とかいろんなニュアンスを感じ取ったのでしょう。
そのいろんなニュアンスとは自分が自分の中にまだ抱え込んでいるものに他なりません。
それが呼応するから話しちゃう。
だから普通の会話でもこのリピート手法を使うと、話がよどみなく続く、という効果があるのも本当だけれど、ここぞ!という使いどころによってより効果的になるんだ、というか、そういうところでこそ使わないと意味がないな、ということを私は中居くんによって再認識したのでした。



そして2点め。
さらに中居くんはいろいろ話を聞いたうえでまた、
「もう、好きじゃない?」
と聞きました。
そこでベッキーは「もう好きじゃありません。」と自信をもって答えます。
いろいろ聞いたあとなんだし、相手の悲壮な決意もかいま見えるしで、普通なら「そうなんだね~」「だよね」とかでこの会話は終わるところじゃないですか。
そこを中居君は、
「すっげぇ、好きだったんだね。」
と声をかけました。
これはなんと秀逸な返しでしょう!
“今は”「もう好きじゃない」かもしれない。それは頭と心を一致させようという懸命な努力の末のことであっても。
それはもうわかった。
けれど、そこまで懸命に努力しなくてはならないほど“これまでは”「すっげぇ、好きだったんだね。」という言葉。
これはベッキーに対する「これまでのキミの気持ち、丸ごとわかるよ。」「辛かったね」「すっげぇ、好きだったにもかかわらずもう好きじゃないところまで気持ちを切り替えなくてはならないこのプロセス、さぞ悲しかったよね。」と受け止めてあげているようにも聞こえたことでしょう。
だから、実際にベッキーはこの言葉のあと、
「それは・・ それは好きでした。ごめんなさい。」
と言いながら、どっと涙をあふれさせました。
それは視聴者には未練のように聞こえたかもしれませんが、”今”を立ち位置としたら一瞬でも過去は過去。
一生懸命ベッキーが過去には全身全霊をかけて愛した人でした、という本心を引き出した言葉でした。
そしてまたこれまでの自分の気持ちを語り始めました。
う~ん、これには唸ったね。



そしてカウンセラーは相手の気持ちに寄り添ってあげるだけでもいけない、だって、寄り添ってあげて相手と同一化してしまったら、もう言葉はそれ以上には出てこないだろうから。
かといって相手と自分は別、と割り切った立ち位置で医者のように上から目線でテクニック的にだけ会話をすすめてもいけない、それでは相手は心を開かないから。
でもその両方を中居くんは見事に最低限の言葉数でするりとすり抜けて見せた。
これは中居くんの天性の資質なんだろうなぁ。
あっぱれ、と思ったのでした。





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