団塊的“It's me”

コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

ジャイアントコーン

2016年01月07日 | Weblog

  夫婦でジャイアントコーンを楽しんでいる。きっかけは去年の暮れに友人夫婦を夕食に招いた時にビン入りのジャイアントコーンを頂いてからである。

 友人は買ったときあまりに辛かったので工夫して辛さを減らしたという。その辛さの落とし具合が絶妙であった。妻は辛さ、酸っぱさにからきしダメな体質である。私はある程度の辛さはむしろ好きな方である。良いことに私の体には“辛さ警報装置”が付いている。辛さが一定のレベルを超えるとその警報装置が作動を開始する。実に便利である。

 ジャイアントコーン。コーンと言うからには、モロコシの一種なのだろうが、それにしても粒がでかい。(写真参照:ジャイアントコーンの粒と普通のモロコシの粒)この一粒のでかさから推測するとこのモロコシ本体は相当な大きさになる。以前なら図鑑や百科事典などで調べなければならなかったが、今ではパソコンやスマートフォンを使ってネットで調べることができる。「ジャイアントコーン 写真」で検索すると早速出て来た。

 ジャイアントコーン:トウモロコシの一種で種子が白く大きい。直径2センチくらいあるが、トウモロコシの房自体の大きさは普通のトウモロコシと変わらない。軸が細い。甘味はあまりなく、ややぼそぼそした食感。ペルー中南部ウルバン地方標高3000メートルの高地のごく限られた地域でのみ栽培される。日本で栽培しようとしても、実は大きくならない。

 写真で見ても普通のモロコシに見える。粒は大きそうに見えるがやはりモロコシにしか見えない。日本で育てても実は大きくならない、というのも、ますますジャイアントコーンへの摩訶不思議さを倍増させる。以前アメリカの日系人に日本の白桃をアメリカで栽培すると黄桃になってしまうと聞いたことがある。アメリカには確かに白桃はなかった。黄桃の花粉が昆虫によって日本から持って行った白桃に付いてしまうのかもしれない。それにしてもその地でしか育たないことは不思議である。ペルーの一地方でしか栽培できないならば、日本へこうして渡って来ているジャイアントコーンはすべてその地方からの物なのか。その生産量は相当なものになる。ということは、栽培は難しいものではないらしい。生産地域が特定されていれば、他の産地との競合がなくビジネスとしても安定する。

 日本ではいろいろな味付けをして販売されている。カレー、コショウ、塩、唐辛子。おつまみ用に他のナッツ類と混ぜられて“ミックスナッツ”として売られている。この缶を買ってみた。妻も私もジャイアントコーンばかり拾って食べてしまう。仕方がないのでジャイアントコーンだけの袋詰めを買って補充することにした。

 友人が贈ってくれたジャイアントコーンをつまみに夕食前の晩酌が一段と旨くなった。ジャイアントコーン争奪戦もなくなった。こうして今まで知らなかったことを友人たちから紹介してもらえる。子どもの頃は何でも知らない事や不思議な事を知ろうとガムシャラだった。この歳になるとむしろ不思議な事を不思議なままに畏敬できるようになった。物忘れも激しくなるばかりであるが、時々忘れることさえ良いことだと思える。

 宗教戦争、領土領有権争い、政教一致政党の勢力拡大、北朝鮮の核実験、凶悪事件、不安なこと心配なニュースが溢れるが、友のジャイアントコーンをカリッと噛むとほぁ~んとしてしまい、しばし無の境地にいたる。

 申し遅れたが、私の辛さ警報装置とは、「シャックリ」のことである。

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