団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

摘果ミカン土地勘勘違い

2016年08月26日 | Weblog

  先週友人宅の夕食でレモン替わりに摘果ミカン(写真参照)が使われていた。妻はいたく気に入った。今はちょうど地元レモンの枯渇期である。友人夫妻に妻はどこで買ったのか尋ねた。私は脇で静かに会話に耳を傾け頭の中で地図を描いていた。

 昨日25日郵便局へ行く用事があった。台風が通過したあとのせいか空は晴れ渡り頭がクラクラするほど暑かった。車のエアコンを最低温度に設定した。眩しくてサングラスなしではまともに目を開けていられなかった。郵便局で用事を済ませ駐車場に戻った。車の中の温度は外気と同じ程になっていた。このまま家に戻ったら何かもったいない。この暑さ強い陽ざしの中、せっかく外出したのだから。そうだ摘果ミカンを売っている店を探してみよう。私は車を家とは反対の方へ進ませた。

 朝妻を駅に送った時、私はなぜか摘果ミカンの店の場所を妻にもう一度確認したのである。妻はまるで実際にそこに行ったことがあるかのように語った。「郵便局から海に向かって行って、前に野村夫妻と言ったナベヤの前、そうガンコオヤジというラーメン屋の交差点をタクシー会社の方へ曲がる。あのタクシー会社の前よ」

 郵便局から100メートルくらい来たところで『メガネ』という看板がある店の前にひな祭りのひな壇のようなものがあった。眩しく良く見えない。でも気になる。妻に教わった場所とはまったく違う。どこかでUターンしてきて確かめることにした。

 「ビンゴ」と私は叫んだ。あるある。摘果ミカンがひな壇の一番上に並んでいる。10袋以上ある。人気があるのだろう。無人かと思ったら元メガネ屋の中に人がいる。ドアを開けると中に3人2人の女性1人の男性。女性2人は野菜の袋詰めをしていた。棚から私は摘果ミカンの袋詰めを2袋取って来ていた。「これおいくらですか?」「100円。あれ値段の紙だしてなかった。ゴメンねゴメン~ね」 ひょうきんなおばさん。驚きの値段。袋の中には10個以上入っている。100円と書かれた小さな紙を持っておばさんが外に出る。さっきは見なかったキュウリ、ナス、ミニトマトもひな壇のそれぞれ違う段に並べられていた。先週友人宅で頂いたミニトマトがあった。赤、黄色、緑、紫、オレンジ。カラフル。パック200円。探していた物を探せると嬉しい。暑さも忘れた。意気揚々と帰宅した。

 時間が経つにつれて妻のナビのいい加減さがチクチク私を刺し始めた。妻はもともと世の中のことには関心がない。歩く好奇心の私とは大違い。私は時々車ででも歩いてでもあちこち何か珍しいものはないか、新しいものはないかと探し回るのが好きだ。ミーハーと言えばそれまでだが。そして探す物を執拗に手に入れようとする。妻は違う。だが摘果ミカンの売店をあまりにもさも知っているかのように私に講義した。でも待てよ、妻のこと言えるか。先日渋滞中の道路で近道しようとして、何と山を越えてまた家のある町に戻っただろうが。妻を責められない。ただ妻が私の失敗を知らないだけ。

 帰宅した妻を駅に迎えに行った。いつものコースで家に戻らず、わざわざ摘果ミカンの売店の前を通って店のありかを教えた。私は一言「反省!」 妻は私に手を添えて「反省」と頭を下げる。

  晩酌は摘果ミカンを絞った果汁入りのジントニック。「乾杯!」

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