団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

眠そうな声

2013年09月25日 | Weblog

 我が家では朝5時きっかり、ラジオニッポン放送の『高島ひでたけの朝ラジ』の「お早うございます。5時になりました」と高島ひでたけの発音のしっかりした聞きやすい声で始まる。数秒遅れで目覚ましの電子音「ピピッピピッピピッ」が鳴る。2重の仕掛けである。加えて数分後に最後の警告として、台所から「ご飯が炊けました。このご飯は保温に適しません」という玄米ご飯の炊き上がりを午前5時にセットされた炊飯器の音声が聞こえてくる。

 ニッポン放送のアナウンサー高島ひでたけは声もいいし話し方も巧い。任せて聞いていられる。その彼が「昨晩家に帰ってフジBSテレビのニュースをつけたけれど八木亜希子さんが1人で出ていて、なんか眠そうな声で喋っていたので、他の局に変えた」と番組を始めた。明らかに同業者への苦言であった。それもフジテレビとラジオニッポン放送はかつて放送局を合併していた時期もある。いわば同系列なはずである。私ひとりがアナウンサーの喋りがおかしいと思っているのではないのだと嬉しくなった。高島さんのようなベテランアナウンサーにとっても近頃の下手なアナウンサーに不満なんだと目覚めたばかりの私を「こいつあ朝から出だしがいいわい」と気分を良くさせた。ラジオでは時々実に正直な感想や意見が聴けるから嬉しい。テレビのように厳しい監査管理の目が行き届かないのであろう。あっという間にさささっと厳しくきつい咄嗟の発言に一喜一憂させてもらえる。これぞラジオ拝聴愛好者の醍醐味である。歳を取ったから文句が多いのか、文句を言われるような輩がマスコミに増えたのか。

 そういう高島さんの番組でも駆け出しの箱崎みどりさんとペアを組む。番組でも高島さんはチクリと箱崎さんに苦言というか訂正というかをさりげなく下す。高島さんはベテランアナウンサーで喋りも立て板に水で、何より間の取り方呼吸の仕方が芸術的である。一方箱崎アナウンサーははっきり言うと下手で声も悪い。私はアナウンサーの声は発音が聴き取りやすい少し太くて低音のほうが良いと思う。箱崎さんの声は、上っ調子で不安定な上、細く甲高い。何より間の取り方、息継ぎの下手さに私はあきれる。原稿を読む時さえ、棒読みというか朗読というワザがない。難関国立大を出ているとかが売りらしく、番組で事ある毎に大学名が披露される。大学はどこでも構わない。喋り方を一から修行して本放送に参加してほしいものである。ほとんどのおじさんは女性が若くて奇麗なら、忍耐を持って上達するのを応援しつつ待つのだろう。ラジオでは顔は見えないが。私はそうは思わない。テレビでもラジオでも放送される1分1秒であってもそこは舞台である。未熟な素人の出てくるトコロではない。練習、稽古、修業は視聴者の見えない聴こえない舞台裏で願いたい。

 日本にはひとり舞台が少ない。テレビはひな壇に数だけそろえられたお笑い芸人が並び、AKBとやらは48人という大人数で画面を占拠する。そろそろじっくりとひとりで視聴者を満足させられる味のあるプロの登場を待つ。

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