団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

醤油の密封容器

2014年09月12日 | Weblog

  醤油の容器に新しいタイプが加わった。90日間新鮮さを保てるとの謳い文句で容器を2重にして醤油を真空状態で保てるようにした。

 醤油は私たち夫婦が海外のどこに住んでも必需品であった。重くても高くても現地もしくは購入可能な都市で入手した。問題は保存である。冷蔵庫に保管しても停電が多く時間が経つと醤油は変質した。無理もない。冷蔵庫で温度を一定に保つどころか、研究室で実験されているように温度が上がったり下がったりが繰り返される。買った時点で賞味期限が過ぎていることは、海外で売られている日本食品には多い。やがて醤油は、ブルドッグソースの中濃のようにどろっとして、キャップ周りは結晶でザラザラとなる。それでも私は大切に最後の一滴まで使い切った。

 今度の容器なら90日間心配なく海外でも使える。進歩である。あらゆる分野での進歩は私たちの生活を豊かにしてくれる。私は日常生活に密着した改良や進歩に関心がある。醤油だけでなく味醂、酢の容器にもこの特許真空容器がひろがっている。

 私の父親は30代で禿げ始めたと聞いていた。私は60歳になっても髪の毛に問題がなかった。ところが65歳を過ぎたころから一気に髪の毛が薄くなった。私は母方の父親のような白髪になると期待していた。鏡で透ける頭皮を発見した時は下半身が冷たい水に浸かったように感じた。禿げることを覚悟はしているが、洗髪後必ず養毛剤をつけている。この養毛剤の容器もよくできている。容器の口のネジ式キャップの移動で計量と塗布ができる。以前は容器の口を直接頭皮に押し付けると口に埋め込んであるラムネのビー玉のようなものが下がり液を出せた。頭皮を伝わって液体が口に入ったこともある。量を予め計れるようになり、もう養毛剤を飲む心配はない。結構結構。

 妻は便利グッズをけなす。「よく考えもせずに思い付きだけで作った製品なんて」と関心さえ示さず無視している。その妻が醤油の容器を褒めた。私が買ってきた便利グッズや新製品で妻に褒められたのは、これが初めてである。何事も“初”がつく出来事には心ときめく。

 最近買った歯磨きの容器にも驚いた。妻は歯磨きのチューブを所構わず押して歯ブラシに歯磨きをつける。量も多い。私は末端からチューブを空にして巻き上げていく。使う量も少ない。どんなに言っても妻は直さない。今度の歯磨きチューブは二人の長年の争いに終止符を打った。仕組みはわからないがおそらくチューブの中の空気でチューブが常に膨張させられているらしい。だからチューブはいつもパンパンである。どこをどう押してもちゃんと歯磨きが出てくる。感心感心。

 企業が競争に負けまいと創意工夫をこらしている。消費者には良いことである。価格がより安く、品質がより良く、使い方がエコでリサイクルしやすい、そういう商品であればあるほど消費者を満足させる。新しもの好きな私は、そういう商品を発見しては喜んでいる。不平不満で爆発しそうな時は、関心を自然やモノ商品や活字に逃避する。

 「なにがどこにあってどうつながっているのかを思い出すのが年々困難になってきて、世界という円は自宅中心にだんだん縮みつつある」ダニエル・フリードマン著『もう年はとれない』東京創元社 1040円+税 12ページ 同感同感。

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